スキャン画質は?
最後に、MDS-820Wで取り込んだ資料のスキャン結果を紹介する。A4サイズのカタログを、PCモードの標準(200dpi)とSDモードの標準(300dpi)、さらに最高画質の600dpiでスキャンした結果が下の画像だ。600dpiは細かな文字も再現性が高く、読みやすい。300dpiでは細かくて画数の多い文字が若干つぶれたが、クオリティとしては問題ない。200dpiは読めなくないが、細かな文字はなんとなく分かるといったところだ。
スキャン結果で気になったのは、両面が印刷された原稿を取り込むと裏写りしやすい点だ。画質を重視するなら、PC用ソフトからコントラスト調整やノイズ除去などを行うといい。
MDS-820Wに限ったことではないが、両面印刷された薄手の原稿は、裏写りが発生しやすい(写真左)。PCからTWAINドライバを使い、明るさとコントラストを高めてスキャンすると、裏写りを緩和できる(写真右) |
ペラ1枚の資料を手軽にスキャンしたいときに
スキャン手順と画質を考えると、MDS-820Wは大量の資料をキレイに取り込むというよりも、日々増えていく1ページ資料を手軽にスキャンするような使い方が向いている。会社の日報や学校からもらってきたお便りなどを、とりあえず本体のSDメモリーカードにスキャンしておいて、ある程度まとまったところでまとめてPCへダウンロードするのがベストだろう。スキャンのたびにPCやスマートフォン/タブレットを利用することを考えると、かなりの手間を軽減できる。
一部の付属ソフトやアプリについては、インタフェースが英語のみであったり機能があまり多くないなど少々残念なところがある。PCやスマートフォンと連携するよりも、MDS-820W単体のみで運用するほうがストレスはなさそうだ。毎日増え続ける細かな資料を、できるだけ簡単な手順でデジタル化したいという人におすすめしたい。