片手で持てるコンパクトなサイズ

まずは、MDS-820Wの外観やスキャン性能から見てみよう。本体サイズはW308×D52.5×H40.7mmで、ちょうどA4用紙を(長辺方向に)軽く丸めた程度の大きさだ。カバンの中や机の引き出しにも、楽々と収納できる。重量は約480gで、500mlのペットボトルよりも軽い。これだけ軽くてコンパクトなら、持ち運びも苦にならないだろう。

MDS-820Wの前面。高さが40.7mmと比較的薄いので、机の引き出しにもしまえる

本体と付属のSDメモリーカードを合わせて重量を実測してみた。カタログ値よりもやや重い493gだった

対応する原稿サイズは、幅が55~215.9mm、長さが90~812.8mmで、A4用紙やはがき、名刺、エンボス加工のないプラスチックカードなどを読み取り可能だ。読み取り面は片面のみで、ADF非対応のため原稿を1枚ずつ手差しで挿入する必要がある。複数ページの資料を取り込むのはやや不便だが、原稿読み取り後に次の原稿をセットすると自動的に継続スキャンされるので、思ったより手間はかからない。A4用紙片面のみの、いわゆる「ペラ1枚」の資料を取り込むことが多いなら、ADFなしでも特に問題はないだろう。

原稿の読み取り速度は、片面カラー200dpiで8秒/枚。モバイルスキャナとしては標準的なスピードだ

データ保存用のSDメモリーカードは、本体背面のスロットにセットする。付属するSDメモリーカードの利用が推奨されているが、試しに所有している2GBのメディアをセットしてみたところ、問題なく使えた。

本体背面にはSDメモリーカードスロットと、microUSB 2.0端子が用意されている

試用機には、ADATA製の4GB SDHCカード「ASDH4GCL4-R」が付属。SDスピードクラス「4」で、高速なメディアではないが、特に問題なく利用できた

本体上面には、1.2型のモノクロ液晶ディスプレイと操作パネルを配置。電源のオンオフやモードの切り替え、スキャン品質の設定などを行う。USBケーブルを接続していないときはSDメモリーカードに保存する「SDモード」となり、操作パネルから各種のスキャン設定が可能だ。

MDS-820Wの上面には、状態表示用の1.2型モノクロ液晶と各種設定ボタンを配置。「Menu」ボタンは、時刻合わせやSDメモリーカードのフォーマットといったオプション設定用。「COLOR/MONO」ボタンはカラーとモノクロの切り替え、「HQ/SD」ボタンは高品質(600dpi)と標準品質(300dpi)の切り替え、「PDF/JPG」ボタンは保存するデータ形式の設定だ

操作パネルの「スタート/OK」ボタンを押すと、PCからスキャンを行う「PCモード」に切り替わる(USBケーブル接続時)。PCモードでは、色や画質はスキャンソフトから設定する

MDS-820Wの内蔵バッテリは本体右側面だ。USBケーブルを使って充電を行えば、A4原稿を450枚もスキャンできる。無線LANに接続した状態でも、仕様上は100枚の取り込みが可能だ。使い方にもよるが、これだけ長持ちするなら数日に1回程度の充電でも十分だろう。

本体右側面には、Wi-Fi機能のオン/オフスイッチとリセットボタン、バッテリ収納用の電池ボックス

バッテリは取り外し可能で、容量は1,700mAh。交換用バッテリの単体販売は、検討中とのことだ(2014年6月現在)