原稿をセットするだけでSDメモリーカードへ記録

SDモードでは、原稿をセットするだけでスキャン開始。画質や色はスキャン前に設定しておく

続いて、MDS-820Wを使った実際の作業手順を紹介しよう。SDメモリーカードにデータを記録する「SDモード」では、給紙口に原稿をセットするだけでスキャンが始まる。読み取ったデータはJPEG形式かPDF形式で保存され、端末の接続やボタン操作が不要でとても手軽だ。

PCから利用する場合は、MDS-820WとPCをUSBケーブルで接続したあと、付属ソフトの「Mobile Document CAPTURE」か「Button Manager V2」、または「Presto! PageManager 9」から、ソフトウェア上でスキャンを実行する。このうちOCRに対応しているのは「Presto! PageManager 9」のみだ。検索やテキストコピーが可能なPDFを作る場合に利用したい。

ブラザー製のシンプルなスキャンソフト「Mobile Document CAPTURE」(写真左)。標準のTWAINドライバから画質や画像の傾き補正、明るさなどの調整が行える(写真右)

スキャンからファイル出力までをワンアクションで行える「Button Manager V2」(写真左)。それぞれのボタンの動作を細かく設定可能だ(写真右)

サードパーティ製のファイル管理ソフト「Presto! PageManager 9」(写真左)。OCRスキャンを行うことで、取り込んだページの文章をテキスト化できる(写真中)。スキャン時の色合いやノイズリダクションなども可能(写真右)

MDS-820WはIEEE802.11b/g/nの無線LANに対応しているが、これはSDメモリーカードに記録されたデータを、無線LAN経由で各種の端末に転送するためのものだ。PC、スマートフォン、タブレットから、ワイヤレスでスキャン操作するものではない点に注意したい。従ってスキャンの方法としては、前述のSDモード(MDS-820Wのスタンドアロン使用)か、PCとUSB接続したPCモードの2種類となる。

無線LANを利用する場合は、MDS-820WのWi-Fiスイッチをオンにしたあと、PC、スマートフォン、タブレットといった各種端末から、MDS-820Wの内蔵アクセスポイントに接続する。いわゆる「APモード」の運用だ。PCからはブラウザを使って指定のアドレスにアクセスすることで、SDメモリーカードに保存されたデータを参照可能だ。

ブラウザからMDS-820WのシステムやSDメモリーカードにアクセスできる(写真左)。データを利用するには、端末へのダウンロードが必要だ(写真右)

スマートフォンやタブレットでも同様に、ブラウザからデータを参照できる。だが、iOS/Android向けに用意されているサードパーティ製アプリ「ScanHub」を利用したほうが操作は簡単だ。ダウンロードしたファイルをクラウドにアップロードできるほか、その場で確認したり、メール添付でグループメンバーに送信したりといったことが可能となる。

SDメモリーカードに記録した資料を、スマートフォンやタブレットで閲覧、共有できる

Android向けスマートフォン版の「ScanHub」(写真左)。同じ無線ネットワークに接続された、MDS-820WのSDメモリーカードにある写真や文書をダウンロードできる(写真中)。端末にダウンロードした文書はその場で確認したり(写真右)、ネットにつなぎ直してクラウドへアップロードすることも可能だ

モバイル端末のブラウザからもアクセスできるが、操作性はあまりよくない