次こそiPhoneはNFCを導入するのか?
iPhone 6関連ではほかにいくつかの話題があるが、最後に決済関係のテーマで締めたい。ディスプレイ関連ではiPhone 6向けのサプライヤとしてJDIとLGの2社が選ばれ、シャープとSamsungが外れたという話もあるが、この手の話題はライバル企業がわざとリークと称してネタを流して牽制するのが目的だったり、あるいは株価操作のポジショントークであったりと、なかなか真贋を判定しづらいということもあり、ここでは触れない。
決済関係でのホットな話題は、iPhone 6でAppleがついにNFCを採用するというものだ。9 to 5 Macによれば、Shanghai MobileのアナリストFrank Hill氏の「AppleとChina UnionPayが合意して決済サービスを中国ユーザー向けに提供する」という発言を紹介したもの。China UnionPayは日本では「銀聯カード」の名称で知られており、最近では観光地や都市部のショッピングセンターでも利用可能な店舗が増えて、同サービスのシールが貼られている光景を見かけることも多いと思う。
現金決済の信用度の問題や商取引のさらなる活性化という理由もあり、現在中国ではUnionPayのようなクレジットカードや電子マネー利用が急速に広まっている。UnionPayはさまざまな決済方式の研究に熱心であり、例えば非接触型カードのサービス展開であったり、中国移動通信(China Mobile)との提携でモバイルペイメントサービスへの本格参入を計画したりと、モバイルペイメント事情を世界的にウォッチしている筆者の目から見ても、最近の中国での展開スピードはかなり驚くべきものがある。
問題はこれが実際にiPhoneへのNFC導入に結びつくかどうかという点だが、筆者の意見でいえば「いますぐかといえばノーだが、将来的にはわからない」との考えだ。「AppleはBLEやiBeaconのほうに興味があり、NFCの代替とするつもり」という意見もあるが、これはそもそもiBeaconの性質を理解していない人の見解だ。