コスパより実用性を重視する人にオススメ

CF-MX3は今どきののUltrabookの流行とは正反対の要素を数多く備えている。しかしタブレットへスムースに変形できる機構やボディ全体の剛性感、インタフェースの充実度などは魅力だ。さらに、タッチ操作対応なのにハーフグレアな液晶と標準搭載された光学ドライブは、実務面で大きなアドバンテージとなるはず。

本製品の売りであるInstantGoは、スリープ状態で通信できるアプリはモダンUIのストアアプリに限定されるため、車中や喫茶店でノートPCを広げるようなLet'snote本来のユーザ層には適合しにくいのではと感じる。タブレット形態で使うユーザなら、メールやSNSの状態が定期的にアップデートされる機能は助かるが、コストパフォーマンスはもちろん携帯性においても優れているとは言い難い。単にInstantGoを楽しみたいなら、安価で小さなAtom搭載Windowsタブレットを買った方が正解だ。

しかしCF-MX3の真の凄さは、Windowsタブレット機以上に素早くスリープから復帰し、Core i7のパワーを即座に使える点にあるのだ。先に述べた通り、本来InstantGoは即時復帰だけを意味するものではないが、CF-MX3においてはInstantという語感に嘘偽りはない。通常版のCF-MX3の復帰速度も速い(0.5秒)が、InstantGo版はさらに速い(0.3秒)、といったところだ。

これだけの魅力を備えたCF-MX3だが、Xi対応で322,457円という価格設定の前に怯んでしまう人も多いだろう。PCを選ぶ時に「コスパ」の3文字が頭に浮かぶなら、素直に他の機種を選んだ方が良いだろう。値段は度外視で現在最良のビジネス向けモバイルソリューションが欲しい人にオススメしたい製品だ。

製品名 Let'snote MX3 (CF-MX3HDXBP)
CPU Intel Core i7-4600U (2.1GHz)
メモリ DDR3 8GB
グラフィックス Intel HD Graphics 4400 (CPU内蔵)
ディスプレイ 12.5型ワイド液晶 (1,920×1,080ドット、タッチパネル)
ストレージ 512GB SSD
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
ネットワーク IEEE802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0、WiMAX、LTE(NTTドコモ「Xi」) ※有線LAN非対応
インタフェース USB 3.0×2、HDMI、D-sub、SDカードスロット、フルHD対応カメラなど
サイズ/重量 W301.4×D210×H21mm/約1.198kg
バッテリ駆動時間 約10.5時間(JEITA 2.0) / 約15.5時間(JEITA 1.0)
OS Windows 8.1 Pro 64bit
直販価格 322,457円