性能はホビーよりもビジネス寄り

それでは各種ベンチマークを通じて性能をチェックする。まずは「CINEBENCH R15」でCPUの馬力をチェックしてみたい。同じCPUを搭載した「VAIO Fit 13A」等と対比するのも面白い。

CPUの計算力がモノを言うCINEBENCH R15の結果

■CINEBENCH R15
CPU Multi 240cb
CPU Single 120cb

ベンチマーク全体を通じ、CF-MX3はちょっと負荷をかけただけで冷却ファンが"シャーッ"という音を出す。冷却が間に合っていないのではなく、Turbo Boostを常に目一杯効かせるために冷却を重視しているセッティングのようだ。その甲斐あってか、薄型ボディ搭載機よりもスコアは安定して高めに出ている。

続いては総合ベンチマーク「PCMark7」と「PCMark8」を続けてチェックする。前者は全テストスイートを実行、後者は最もシンプルな"Home Conventional(OpenCLなし)"を実行した。

PCMark7のスコア

■PCMark7
Total 5034
Lightweight score 3534
Productivity score 2736
Entertainment score 3413
Creativity score 9649
Computation score 16957
System storage score 5233
Raw system storage 4568

Core i7+SSD標準搭載機としては標準的なスコアだ。GPUがIntel HD Graphics 4600なのでゲーム系の評価は自然と低くなる。

PCMark8のスコア

■PCMark8
Total 2332
Web Browsing - JunglePin 0.330秒
Web Browsing - Amazonia 0.139秒
Writing 4.11秒
Photo Editing v2 0.754秒
Video Chat v2 / Video Chat playback 1 v2 30.0fps
Video Chat v2 / Video Chat encoding v2 107.3ミリ秒
Casual Gaming 14.5fps

PCMark8のHomeテストは、ライトユーザを想定したテスト。ウェブブラウズや動画再生は今どきのノートとしてはほぼ限界値に近いが、ストレージがやや遅いせいかオフィスアプリでの重めの編集作業はやや苦手。そしてGPUの性能がネックでカジュアルなゲームには向かない、という感じだろうか。

ではCF-MX3のネックと想定されるSSDとGPU性能を「CrystalDiskMark」と「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」公式ベンチでチェックする。

「CrystalDiskMark」は、ランダムデータを1000MB×5回のテストを実行

「CrystalDiskInfo」によると、サムスン製のM.2 SSDが使われていた

テスト機の内蔵SSDは型番からM.2接続のSSDであることが分かった。しかしM.2といっても内部的にはSATAで接続されるため、普通の2.5inch SSDと大差ない。シーケンシャルリードおよびライト性能はSSD本来の性能より1割程度遅いように見受けられたが、残念ながら遅い原因の究明はできなかった。

「ファイナルファンタジーXVI:新生エオルゼア」のベンチは、解像度1280×720ドットの標準品質(ノートPC)で実施

一方グラフィック性能はIntel HD Graphics 4600の性能がそのまま出ている。PCゲームも可能だが、解像度や画質をかなり下げないと紙芝居状態になるだろう。

最後にバッテリの駆動時間を「bbench」でチェックする。無線LAN有効、液晶輝度50%に固定し、キーストロークとWeb巡回(巡回先は今どきの有名サイトに修正済み)を有効にして実施した。標準のバッテリ構成のほか、本体内に固定されたサブバッテリのみでも計測した。

■バッテリ駆動時間
メイン+サブバッテリ 6時間58分
サブバッテリのみ 1時間48分

Ultrabookにしてはやや短い印象を受けるが、約7時間動作するなら長距離移動時でも十分な作業時間を確保できるだろう。サブバッテリのみでも2時間近く持つので、メインバッテリの交換もかなり余裕を持って実施できるはずだ。