各社が競っているネットワークでは、800MHz帯のLTEで実人口カバー率99%を達成したKDDIに対して、ドコモも13年度末に55,300局だったLTE基地局を、今期中に95,300局まで拡大。下り100Mbps以上の通信速度に対応したLTE基地局も、3,500局から一気に4万局まで拡大。カバー率の拡大と通信速度の高速化を図っていく。ソフトバンクはLTE基地局が9万4,000局に達し、設備投資を前倒しで進めてきたことで、ネットワークには自信を見せており、設備投資のピークは過ぎたとして、順次投資額を減らしていく。
ドコモは全体の設備投資額は減少するが、LTE関連の投資額を増加させる。KDDIは、今期も設備投資額は増加する計画。さらに、ドコモとKDDIが夏モデルから新技術を採用。ドコモは音声をパケット通信でやりとりするVoLTEサービスを開始。KDDIは2つの周波数帯域をまとめて、1つの帯域のように使って通信速度を向上させる、LTE-Advancedの主要技術であるキャリアアグリゲーション(CA)を開始する。
VoLTEは、音声通話が高音質化し、低遅延になることで、「話しやすくなる」(同)。キャリア側にとっては、回線を占有しないため周波数利用効率が上がるというメリットもある。
両社とも、年度内にはドコモはCA、KDDIはVoLTEを提供する予定で、ネットワークの高速化など、足元の強化を図る。ソフトバンクは、孫社長が「将来の計画は話さない」としており、いつごろ2社に追随するかは不分明だ。
今期の通期予想では、ドコモは営業収益4兆5,900億円、営業利益7,500億円の増収減益を見込む。KDDIはそれぞれ4兆6,000億円、7,300億円の増収増益を予想する。ソフトバンクは8兆円、1兆円の増収増益を想定。前期の営業利益1兆円には、買収による一時益2,500億円が含まれていたため、この影響を除いた1兆円を達成したい考えだ。
(記事提供: AndroWire編集部)