ソフトバンクはヤフーやガンホー、中国アリババなどのインターネット・モバイルゲーム事業も好調。買収したSprintは、売上は2兆円を超えるが、12億1,600万円の赤字で、現時点で利益には貢献していない。ソフトバンクの大きな課題はこのSprint事業の立て直しで、ソフトバンクの孫正義社長は、Sprintのネットワークが悪く、収益性も悪化していることから、「ソフトバンク流のマネージメントで利益を改善させていきたい」考え。まずは急速にネットワークの拡大・改善を進め、社内オペレーションコストの効率化を図って事業を再建。今年後半にも、契約数増加に向けた取り組みを実施していく意向を示している。
ドコモは、「不健全」(加藤薫社長)なMNP競争から脱却し、販売費用や月々サポートを適正化してコスト増加を防ぎ、さらに音声定額・パケットシェアをアピールポイントとする新料金プランを訴求して契約拡大を図りたい考え。先行して新料金プランを発表したソフトバンクにはない、無制限の音声定額を実現するなど、独自色を打ち出したことで、ソフトバンク側は新料金プラン提供の延期を余儀なくされた。KDDIは、現時点で対抗する料金プランを発表しておらず、慎重に検討していく意向だ。
KDDIは、スマートフォン、タブレット、テレビといったマルチデバイスで利用できるサービスを提供することで、付加価値サービスの利用をさらに促進させる。ARPUを通期で前年比プラスに転換することが目標だ。さらに、リアルカードを使った電子マネーサービスau WALLETの開始で、リアル店舗とオンラインでの決済手段を提供。新たなサービス創出につなげたい考えだ。