ソフトバンク、KDDIともに買収によって売上を拡大させたが、その影響を除いても前年比では増収増益となっており、着実に業績を伸ばしている。ソフトバンクは、純増数は344万5,000件と増加したが、フォトフレームのようなARPUの低い端末が増加したため、ARPUは同100円減の4,450円となった。解約率も1.27%と高止まりしているが、MNPによる転入増やiPhoneの販売増加などが奏功した。データARPUは同150円増の2,930円を確保している。

KDDIは、純増数281万3,000件、MNP転入は83万5,000件で、初めて累計契約数が4,000万件を突破。ARPUは4,150円で、同30円の減少にとどめたのに加え、第4四半期には前期比増加に転じたことがポイントで、今期は通期での反転を目指す。データARPUは360円増の3,210円と好調で、サービス収入の付加価値ARPUの増加も収益に寄与した。

減少を続けてきたARPUが上昇に転じ、これを通期のトレンドとしたい考え

ドコモは、3社で唯一端末販売数が前年比でマイナスになるなど端末販売が低調で、純増数も156万9,000件だった。ARPUも同340円減の4,500円で、音声だけでなくデータARPUも50円減の2,640円にとどまった。音声収入の減少幅に比べると、スマートフォンの増加などによってパケット収入は伸びているが、それに月々サポートや販売費用の増加で増収分を相殺し、通期ではわずかながらも減収という形だった。

パケット収入の増加に対して、月々サポートの影響が大きく、減収に。端末販売数、純増数ともに、春商戦で増加傾向にある