本連載ではAppleが取り組むiPhoneやモバイルサービス、そしてこれから作りだされる未来の生活などについて、ジャーナリストの松村太郎氏が深読み、先読みしながら考えていく。今回は「iPhoneの音楽体験はどう進化していくか?」をテーマにする。

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2007年1月にAppleがサンフランシスコでiPhoneを披露した際、プレゼンに立ったSteve Jobs氏は、「電話」「iPod」「インターネットデバイス」という3つが融合したデバイスであると紹介した。

2001年に登場し、大人気となったデジタル音楽プレイヤーのiPodは、iPhone登場以降、その出荷台数の減少傾向に歯止めがかかっていない。Appleにとって、音楽を聴くデバイスは専用のiPodからスマートフォンのiPhoneへとシフトしている。

この連載で、iTunes Radioを紹介した。音楽を1曲もしくはアルバム単位でダウンロード購入するのではなく、広告入りもしくは購読料を支払って広告なしで、音楽がストリーミングで流れてくる新しい音楽の聴き方を提案した。この機能を導入した背景は、人々の音楽の聴き方の変化がある。

iPodとともに音楽の流通に変化をもたらしたiTunes Store

iTunesはiPodとともに、音楽の流通をCDからデジタルダウンロードへ変化をもたらした。媒体はCDからデータに変わったが、音楽を購入して楽しむ方法までは変わらなかった。そしていま、インターネットとスマートフォンの普及によって、音楽を1曲ずつ購入するのではなく、流しっぱなしで好みの曲が流れてくるストリーミングへと変化している。