ストッペルマンCEOによれば、Yelp(イェルプ)の特徴は二つあるという。ひとつは「飲食店だけでなく、あらゆるジャンルの口コミが集まるサービスである」こと。そしてもうひとつは「オフラインでのイベントを行うことでユーザー同士が親しくなれる」ことだ。その意味でYelpは口コミサービスであると同時に、ソーシャルネットワーキングサービスでもあると言える。

Yelpのアプリを起動すると、タブの中に「自己紹介」という項目がある。ユーザーはここに詳細なプロフィールを入力し、Facebookなどと同じように他のユーザーとのコミュニケーションを楽しめるのだ。質の高いレビューを多く投稿したユーザーは「エリート」と呼ばれ、信頼できるレビュアーとして人気者になることもある。こうして、Yelpの中にはレビューを主体としたコミュニティが形成されていく。

自己紹介タブ内。ここからレビューの投稿が行える

Yelpではコミュニティをより活性化させるために、オフラインでのイベントも積極的に行っている。Yelpユーザーは「Yelper(イェルパー)」と呼ばれ、オン・オフ両方の交流を通じて絆を深めていく。ストッペルマンCEOによれば、Yelpを通して知り合った男女が結婚した例や、自宅が火事でなくなってしまったユーザーを皆で支援したなどの例もあるという。「Yelpで人生は変わります」とストッペルマンCEOは断言する。

「レビュー」をある種の媒介として、オンラインからオフラインへとコミュニティが広がっていく様は、ジャンルこそ異なるものの、どこかニコニコ動画の盛り上がり方を彷彿とさせる。

「これまでYelpでは世界の120の町と地域でイベントを行ってきました。サンフランシスコでは、3日連続で1000人を集める規模のイベントを開催したこともあります。日本でも、まずは東京と大阪でこうしたオフラインでのイベントを開催し、うまくいけば他の都市にも広げていきたいと考えています」(ストッペルマンCEO、以下同)。