訓練がスタートすると同時に、まずはヘリコプターが東京臨海広域防災公園の上空にやってきた。
災害時などに携帯電話通信が行えないのは、携帯電話に電波を飛ばして通信する基地局が被災して使えない状況になっているから。通信を確保するためには、新たに基地局を設置してやる必要がある。もちろん電波塔を建てるわけにはいかないので、簡易的な基地局を搭載した自動車を現地に派遣し、臨時の基地局とするのである。
しかし、災害時には陸路が寸断され、復旧に時間がかかったり、現地の状況が確認できないことも多い。そこで、まずはヘリコプターで復旧要員を現場に送り込み、情報収集と復旧の準備にあたるのだ。
ヘリコプターが到着すると、機内から3名の復旧要員が駆け下りてきた。しっかりと声を出し、現場の様子を無線で災害対策本部へと連絡する。それを受けて、災害対策本部から指示が出されるのだ。