先ほど紹介した記事にもあるように、Appleはここ数年でウェアラブル関係のプロフェッショナルを複数自社に招き入れたり、業界の名だたる技術者を詳細不明のウェアラブル関連プロジェクトに投入したりと、ウェアラブル関係の布陣を大幅に強化していることが知られる。特にNikeでFuelbandの開発者であるJay Blahnik氏がAppleに入社したことは、同社からFuelbandライクなデバイスが登場する可能性を示唆させる。機能面もさることながら、デザイン性も含めた製品デザインがiWatchで重要な位置を占めることになるだろう。
フィットネス関係は重要なファクターだが、同時に搭載センサーを活用してヘルスケア部分についても訴求してくることが考えられる。例えば、健康器具メーカーのBasisのAppleによる買収の噂があったり、医療センサー技術者のMarcelo Malini Lamego氏やMichael O’Reilly氏がAppleに在籍していることが判明したり、睡眠研究者のRoy J.E.M Raymann氏雇用の話があったり、あるいは血中酸素濃度や心拍数を計測する機能を新デバイスが採用するという話があったりと、過去の数週間だけでiWatchにまつわるヘルスケア関連のニュースが次々と出てくるなど、次期iOS 8+iWatchにおける重点分野の1つがヘルスケア関連だと印象付けられつつある。おそらくは、センサーだけでなくこれに付随したクラウド経由のサービスも提供が行われるはずで、関連医療機関との提携等も発表されることになるかもしれない。
センサーとサービス連動についての想像は容易だが、デバイス的にはまだまだ課題が多いともいわれている。まずは小型の腕時計型デバイスということで、バッテリ容量の少なさによる連続動作時間の短さが問題となってくる。最大の課題は屋外でも利用できるディスプレイ技術の部分で、同デバイスでは曲面ディスプレイパネルが採用されるとされているが、ここで利用されるAMOLED技術でも1日以上の安定した稼働には厳しいという話もある。そこで同社では太陽電池パネル搭載も視野に入れつつあり、さらにはワイヤレス充電技術を組み合わせて充電の手間を軽減するなど、充電方式をも含めた研究を行っているようだ。