キーワードは写真と動画の共有
メッセージは、What's AppやFacebookメッセンジャー、LINEの他に、Twitter、Facebookが買収できなかったSnapchatや、こちらはFacebook傘下のInstagramのダイレクト機能など、その手段が増えてきた。特にLINEはスタンプや写真の共有が人気だし、Snapchatはどこにも保存されない写真共有がポイントだし、Instagram Directも普段Instagramで投稿されるクールな写真を個人間で共有することに重きを置いている。
Appleは写真共有についてはフォトストリームを持っており、こちらもApple IDがあれば(つまりiMessageを使える環境にあれば)利用することができる。まとまった写真を相手に見せたり、同じ旅行の写真を一緒に追加し合うなど、SNSのように公開範囲やプライバシーを意識しない形で、プライベートに写真を共有する手段になっている。最近ではビデオ共有も可能になった。
現在はメッセージングと写真共有が別々のアプリとして分かれており、これもわかりやすいが、今後メッセージングの中で、添付ファイルではない形での写真共有をシームレスに活用できる仕組みが求められるようになるのではないだろうか。
モバイルメッセージングは、SMS料金というメッセージングの制限を取り払うことに成功した。次はメッセージングを活用した写真の共有がポイントだ。SNS全盛の時代に、よりシンプルでインスタントに、かつプライベートに、またわかりやすく管理できる形での、写真共有の方法がぽっかりと空いてしまっているのだ。
Appleが現在あるアセットを上手く組み合わせて、またiPhone・iPad以外のユーザーを巻き込みながら、写真の問題を解決するのか、楽しみだ。
松村太郎(まつむらたろう)
ジャーナリスト・著者。米国カリフォルニア州バークレー在住。インターネット、雑誌等でモバイルを中心に、テクノロジーとワーク・ライフスタイルの関係性を追求している。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ビジネス・ブレークスルー大学講師、コードアカデミー高等学校スーパーバイザー・副校長。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura