What's Appが解決する問題とは?
What's Appはモバイルメッセージングという分野で、AppleのiOSに搭載されるiMessageとも競合するとみて良いだろう。あるいは音声通話・ビデオ通話ができるSkype(Microsoftにより買収済み)、Google Hangout、日本のLINEも肩を並べる。What's Appは1日のメッセージ流量が100万通を上回る、世界最大のメッセージング企業と位置づけられる。
モバイルメッセージ系のアプリやサービスの最も分かりやすい位置づけは、携帯電話のText(SMS)の代替だ。日本ではケータイメール(@docomo.ne.jpなどの@付きアドレスでやりとりするキャリアメールサービス)が2000年代に普及した日本では馴染みのないSMSだが、1通あたりの料金で携帯電話会社が収益を上げてきた分野とあって、利用者はたとえWhat's Appが有料であっても、SMS料金より大幅に安く済むこのアプリが広がった。
例えば筆者の住む米国で2011年にiPhoneを契約した際、Verizon Wirelessの家族で700分の通話時間を共有するプランにはSMS料金が含まれておらず、1通あたり20セント(約20円)、1000通までのプランで月10ドル、無制限だと月20ドルという料金が設定されている。こうした料金を払うよりは、気兼ねなく送り合えるサービスを活用したいと思うのがユーザー心理だ。
つまりWhat's Appなどのモバイルメッセージングは、携帯電話会社の通話の次の収益源となっていたSMSに類するサービスを、データ通信を使ってより安価もしくは無料で利用するという目的がユーザーにはあった。