"セール"で値下げは効果的な販売施策か?
また、Amazonが日替わりや月替りでセールを行い、書籍の価格を下げている点については「値段を下げることが目的なんじゃないかと言われることもあるが、そういうわけではない。販売促進施策の一つで、ビジビリティ(露出度)を上げることが目的」とコメント。露出を上げることでいかに気づいてもらうかが重要なのであり、セールはそのためのきっかけ作りにすぎないと述べた。
実際のところ、セールをした場合の売上額はどうなるのか。友田氏は9月の日替わりセールの対象となった30作品を例に挙げ、セールをする前とセール当日、さらにセール後の平均販売数の推移を公開した。
それによると、セール前7日間の売上を「1」とした場合、セール当日の売上は「501」にも及んだという。また、セール後7日間に関しても売上は「8」と、セール前の8倍をキープしており、プロモーション終了後も効果が持続することを示した。
これは、セールの対象になった結果、ランキングに入ったりユーザーへのオススメとして紹介されたりと、Amazonのシステム内で継続的に露出が増加したためだという。
このことから、友田氏は「セールを行うことで単価は下がっても、結果的にトータルの売上は上がる」と結論づけている。
新サービスとなるKindle連載がスタートしたことで、今後ますます電子書籍市場が伸びていくと思われるが、紙の本を追い越す具体的な時期や目標について質問を受けた友田氏は明言を避け、「目標云々ではなく、お客様の選択肢を広げることが目的。紙でも電子でもほしいものがすぐに手に入る状態を目指していく」と回答した。