Windows 8では「検索チャーム」を利用した検索が行えるが、アプリとウェブ、SkyDrive内はそれぞれ別に検索する必要があった。これは、「Bingスマート検索」と呼ばれる検索技術が、主にアプリ内の検索を対象にしていたためであった。SkyDrive内やウェブ検索では、まったく別のインターフェースが用いられていたのだ。
Windows 8.1では「検索チャーム」からシームレスにアプリ、ウェブ、SkyDriveなどを検索できるようになり、時間のロスが大幅に削減された。たとえば検索フォームに「こ」と入力すると、「コマンドプロンプト」など「こ」を含む検索候補が一覧になって出現する。上側にはアプリなどが表示され、ラインで区切られた下側には同じワードによるウェブ検索の結果も表示される。いちいち、どの中身を検索しようかと考えなくても、デバイス全体を一つの検索でカバーできるようになったというわけだ。
実はBingチームはこれまで、Bing.comのサイトでのみ検索を提供していたが、Windows 8.1以降はBingをプラットフォーム化してMS製品に統合していこうという方向性を打ち出しているのだ。Windows 8.1でスマート検索が使えるようになったのは、その第一歩といえる。
スマート検索のキーワードには、もう一つ「ビジュアル」がある。どういうものかというと、検索結果に対して単なる候補一覧ではなく、「美しいヒーローアンサー」で表示するというものだ。
「ヒーローアンサー」とは、俳優や歴史上の有名人物などの固有名詞を認識し、個々の特徴に合わせた検索結果を返す仕組み。たとえば友人の名前で検索した場合、自動的にPeopleアプリに合わせた特別なインターフェースで表示するといった具合だ。
ウェブ検索の場合も同じで、たとえば「渡辺謙」で検索した場合、彼が俳優であることを理解して、特別な検索ページを表示する。このとき、その人物のテーマカラーがあれば、その色を基調としたデザインとなる。つまり、検索ワードを単なる文字列としてではなく、意味を理解して検索結果を返しているというわけだ。
現在、この「ヒーローアンサー」が対象としているのは、映画や俳優、著名人、都市、レストラン、ホテルなどの固有名詞だという。
以上が、Windows 8.1での大きな変更点となる。全体的に「ユーザーからのフィードバックにかなり忠実に応えてきた」という印象を受けるアップグレードといえるだろう。