ユーザーの選択肢があらゆる面で広がる、2013年モデルのiPhone
iPhone 5s、iPhone 5cによって、AppleはiPhoneのラインアップを一気に拡充させた。ハイエンドモデルでは色を1色追加して3色展開にし、ローエンドモデルを「新機種」として新たに投入し5色展開とした。性能、色、そしてストレージの容量を合わせると、全部で19通りのモデルから選択することができる。これに加えて、iPhone 5c向けの6色展開の専用ケースによって、さらにバリエーションが増える。
これまでAppleは、毎年1機種ずつを発売し、iPhoneでのユーザー体験を統一しながらアプリのエコシステムを育てることに注力してきた。スマートフォン市場の中での高い履歴率を保ってきた理由もそこにある。しかし、iPhoneのシェアが直近の四半期で13%台まで押し込まれ、株価の低迷を招いていることから、ユーザーが「選択」できるように方針転換をした。
また日本では、最大の携帯電話会社のNTTドコモでの発売によって、3つの携帯電話会社全てから選択ができるようになった。ドコモがマーケティング上、iPhoneをどのような位置づけに据えるのかはこれから明らかになるが、Androidのツートップ戦略とは別の展開を行っていくことになると予測している。
こうした展開がAppleのiPhoneビジネスにどのような変化を与えていくかにも注目が集まるが、iPhone 5の米国での成功を見ると、良い結果がもたらされるのではないだろうか。特に日本市場では、これまでとは根本的に違う販売数の増加も期待できる他、今回のイベントで言及されなかったが、今後チャイナモバイル向けのTD-LTE対応モデルが発売されれば、世界のiPhone販売を押し上げるだろう。
筆者も、まず、どこの携帯電話会社の、どのモデルのiPhoneを選ぶか、しばらく悩むことになりそうだ。