――『アイゼンボーグ』では、お二人は兄妹役でしたが、演技の上で意識したことはありますか?

麻上「あまり兄妹っぽくない感じなんですよ、愛と善は。私自身もなんだか恋人役だったような気がするくらいで(笑)」

「兄妹というよりも"分身"という感じかな。兄妹なんだけど、自分の分身。そんなイメージでした。セリフでは善が愛に対していろいろと仕切っているところが多いんですけど、兄妹であったり、恋人のようであったり、同僚の隊員みたいな関係でもあったり……。微妙なところも多かったですが、僕としては分身というイメージが強いです」

麻上「私は仕切られて反発していました(笑)」

「例えば、19作目の最後のシーンで、海に沈む夕日に向かって『あいーっ』って叫んでいるのがあるんですけど……」

――愛が瀕死になるシーンですね

「そうそう。生きるんだ愛! みたいな感じで、海に沈む夕日に向かって叫ぶんですよ」

麻上「それは妹用? それとも(笑)」

「ちょっと複雑だったかな(笑)」

――愛はかなり大変なことになってしまいますからね

麻上「そうそう。また死ぬのかと思ったら、さらに強くなっちゃって……。あの走り方には驚きました(笑)」

――そしてさらに変身までしてしまいます

「僕は、スムーズに巨大ヒーローに変身していったなと思いました。それよりも恐竜がキャラクター化して『UFO』を踊ったりしたほうがビックリで(笑)」

麻上「あまり子どもを怖がらせちゃいけないからね」

――実際の放送で、収録の際はわからない実写パートを観たときの印象はいかがでしたか?

「先ほども言いましたが、前作の『ボーンフリー』と比べて、スムーズでリアリティのある動きになっていたので、見事だな、さすが円谷プロだなって思いました」

麻上「私の場合、ちゃんと観たのは今回のDVDが初めてかもしれない……」

――そうなんですか?

麻上「アフレコのときはもちろん観られないですし、オンエア自体もなかなか観られる時間じゃなかったんですよ。当時は録画できるような環境もなかったし」

――ビデオが普及している時代ではなかったですからね

麻上「たまに『こんな感じだよ』って観せていただいたことがあるぐらいで、ほとんど観る機会がなかったので、今回すごく新鮮でした」

――そういう意味では懐かしさよりも新鮮さですか?

麻上「そうなんですよ。だから、観客になって一生懸命に観ちゃいました(笑)」

――あらためてご自身の演技を観て、いかがでしたか?

麻上「頑張っているなって(笑)。やはり声が若いですし、伸びがある。ちょっと叫んだりして、頑張りすぎて、この後ちょっと喉が辛かったのを思い出しました」

「あらためて観ると、どうしても自分のセリフや役どころを中心に観てしまうんですよ。気になって仕方がない。そうやって観ると、やっぱり若いですね。若さって怖いなって思いました(笑)」

麻上「自分のセリフを中心に観てしまいますよね。ちゃんとセリフを言えているかなって、自分で自分をチェックしながら(笑)」

――自分にダメ出しをしたり

「そうそう。正直、もっと違った風に演じたほうがよかったかな、みたいに感じるところもあります」

麻上「何だか、お兄ちゃん相手に恋人みたいに喋っているなあ、とか。何を甘えてるんだ、みたいな(笑)」