CrysltalDiskMarkとbbench

ここではCPU/GPU以外の性能をチェックしてみよう。まずは「CrysltalDiskMark」でストレージの性能から。ランダムデータを使い、1000MB×5のテストを実行している。

CrystalDiskMark

シーケンシャルリードが200MB/secを超えているのに対して、シーケンシャルライトが3分の1以下になっているのは、搭載されたSSDの性能にライト性能が引きずられていると判断できる(キャッシュ用途に特化した小容量のSSDでは珍しくない)。読み出しは速いが、その分巨大なファイルを激しく書き込むような処理は苦手、といったところだろうか。

第4世代Core iの大きな目玉は、新しいCステート実装による消費電力の大幅な削減。つまりノートPCならバッテリ駆動の延長が期待できる。そこで「bbench」を用いて駆動時間を計測してみた。電源プランはLL850/MS標準設定の「LaVie」モード、無線LANは802.11ac接続を維持、液晶輝度は50%固定、そしてbbenchのキー入力とWeb巡回を有効にした状態で計測した。

■bbench
バッテリ駆動時間 約2時間56分

LL850/MSのバッテリ駆動時間はJEITA測定法によるカタログ値でも4.5時間。外出先でバッテリのみで作業するというよりは、家庭やオフィス内の短距離移動や、いつもの場所からちょっと移動してPCを使いたいという際に補助的に使うバッテリと考えたほうがよいだろう。

標準装備されているバッテリの容量は3350mAhとかなり小さく、HDD+SSDのハイブリッドストレージに15.6型のフルHD液晶、そしてTDP47Wの通常電圧番Core i7を載せているのだから、そう長くは持たないないことは容易に想像できる。

LL850のバッテリは本体サイズに比してかなり小さい。バッテリ駆動ではなく、AC駆動をメインに設計されているのだ

IEEE802.11acの実力を検証する

LL850/MSはCPUのほかにも最新鋭のパーツが組み込まれている。それがIEEE802.11acをネイティブサポートする無線LANモジュールだ。今回はPC本体の製造元に合わせて、NECアクセステクニカの802.11ac対応ルーター「Aterm WG1800HP」を準備した。また802.11n環境としてアップルの「AirMac Extremeベースステーション」を準備した。理論値1.3GbpsにLL850/MSがどこまで迫れるだろうか。

メタマテリアル採用でアンテナの小型化に成功した「Aterm WG1800HP」

テストはバッファロー「WZR-1750DHP」のレビュー記事と同じく、「iperf」を用いてデータのスループットを計測した。サーバーのセットアップや設置条件は同レビューを参照いただきたい。WZR-1750DHPと違う点は、サーバーに接続された無線LANルーターから直接LL850/MSに802.11acで繋がるということだけ。なお設置場所の問題から、今回はルータから1m離れた地点での計測に絞っている。

802.11acで繋いでも特別なメッセージが出る訳ではない。無線LANアダプタのプロパティを開いて「速度」が450Mbpsより大きければ、11acと判断できる

こちらは802.11nで接続した状態。LL850/MS側のアンテナが2本なので、11n接続でも300Mbpsと表示されている

LL850/MSを802.11acと802.11nでそれぞれ接続した場合のスループット。比較用として本体内蔵のGigabitEthernetによる性能も記載した

結果は上のグラフの通り。802.11nに対しては2倍高速であるという結果が出ている。ワイヤーシェルフが多数置かれている部屋という悪条件もあるが、GigabitEthernetを置換できるレベルには達していないと言ってよいだろう。

次のページ:まとめ : CPUパワーと美しいフルHD液晶が決め手