では内部の構造に目を向けてみよう。LL850/MSに搭載されている「Core i7-4700MQ」は、第4世代Core iにおいてスタンダードなモバイル向けという位置づけのCPU。プロセッサー・ナンバー末尾の「MQ」は、モバイル向け4コアCPUでIris Proでない普通のGPUを搭載したモデル、ということを意味する。

よって、より強力な内蔵グラフィックス「Intel Iris Pro Graphics 5200」や、CPUとチップセットワンパッケージ化するといった第4世代Core iの新要素は含まれていない。

LL850/MS試作機の内部。GPUを搭載しない設計のため、内部構造は非常にシンプル

ヒートシンクを剥がすと「Core i7-4700MQ」が顔を出す

「HWiNFO64」で搭載CPU/GPUの情報をチェック。CPUは定格2.4GHzだが、高負荷になると4コア使用の場合3.2GHzまで自動的にクロックが上昇。グラフィックスは「HD4600」という第4世代Core iでは普通のGPUコア

デスクトップ用と違い、パッケージの裏にピンが沢山生えているタイプ。中央の細長い黒い部分がCPUを構成する半導体(ダイ)の部分だ

メモリは8GBモジュール1枚の構成となっており、2基あるメモリスロットのうち1基が空いているため増設は容易だ。

メモリスロットには1基の空きがある。その左隣にはBroadcom製のDraft 11ac対応無線LANモジュールが

メモリチップは1.35V動作のDDR3L-1600だった

ストレージは750GB HDDと32GBのSSDを組み合せたハイブリッド構成となっている。SSDはHDDの弱点であるランダムアクセス性能を補うキャッシュとして機能するが、LL850/MSのキャッシュシステムはハードウェア上で完結するタイプ。そのためデバイスマネージャやハードウェアの情報表示ツールなどを使わない限り、SSDの存在はユーザの目からは隠ぺいされる。起動時間は、シャットダウン状態から約11.5秒でスタート画面が出るのでHDD搭載モデルとしては結構快適だ。

mSATAスロットにはSamsung製のSSDが装着されていた。すぐ上にあるダイ剥き出しのチップが「HM87 Express」だ。HDDは東芝製の5400rpmタイプ

2.M@「CrystalDiskInfo」でストレージのスペックをチェック。SSDは高負荷時にキャプチャしたためか、温度が高めに表示されている

SSDキャッシュはBIOSを見なければ設定や解除ができない。筆者がうっすらと映りこんでいるのはご容赦を

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