――それをあえて表題曲にしたのは?

菊池「結局、『未来スコープ』としてあらたに書き直し、今の気分でやってみたら、意外といいかもしれないなと思って……これまで『空想ジェット!』や『Lingering Fizz』をはじめ、『うた種』や『ひだま~ぶる』といった、ある意味コンセプトのしっかりしたものを作ってきたんですけど、今回はこんな感じのスタートだったので、そこまで先にコンセプトについて深く考えず、ただmarbleの曲を集めたアルバムということでいいんじゃないかと」

micco「既存の曲だけでもすごくバラエティがあったので、そこにまた『puzzle』のようにまったく違ったテイストの曲を入れちゃってもいいかなって(笑)」

菊池「ある意味、何でもありなんですよ。そういう意味では、1stアルバムである『虹色ハミング』の、あまり考えずにmarbleの持ち曲をアルバムにしました……という作り方に近いかもしれません」

――現在のmarbleの気分を集めたアルバム……という感じでしょうか?

菊池「ある意味、それが今回のコンセプトだと言ってもいいかもしれませんね(笑)」

――楽曲についてお伺いしますが、先ほど『未来スコープ』について、"君のそば"というキーワードを挙げていらっしゃいましたが、それ以外で注目して欲しいメッセージなどはありますか?

micco「これは2曲目の『puzzle』にも繋がるところなんですけど、"誰かになることは無理だから"、この2コーラス目の最後の歌詞は、未来について縛られることなく、それぞれが自分色の『未来スコープ』を描き出せばいいんじゃないか……そんなイメージになっていって、自分だけの道を描いていくことが大事であり、何よりそれが楽しいことなんじゃないかというメッセージになっています」

――2曲目の『puzzle』は今回のアルバム用に作った曲ですか?

菊池「今回のため、というのはちょっと違いますね。何かに収録するために作ったというよりも、アルバムの制作時期にこんな曲ができましたという感じですね、単純に。今回、アルバムのイメージで作ったのは本当に最後の曲ぐらいです」

micco「あとは自然にできあがった楽曲ばかりですね」

菊池「アルバムの収録曲が決まっていく中で、最後にこういう曲を1曲入れたいと思って作ったのが『風が吹く』で、それ以外の曲は、本当に自然発生的にできあがった曲です」

――今回、既存の曲が7曲に対して、リアレンジ曲が1曲と新曲が4曲というのは、やや少ないかなという印象ですが

菊池「少ないですね。とはいえ、2年もオリジナルアルバムを出していなかったので、入れたい曲もたくさん貯まっていて、新たに入れられる曲が少なくなるというのは最初から視野に入れて考えていました」

――その限られた曲数の中で、今回のラインナップになったのは?

菊池「まずリアレンジの『smile ~the landscape through a "MIRAISCOPE"~』については、miccoがちゃんとした形でCDに入れたいと前々から言っていた曲で、それはもう譲れない部分になっていたので、まずそれがひとつ決まり、残りは4曲というところで、すでに全体としてのバリエーションは出ていたので、新しい曲で勝負するよりも、全体を通して、marbleというグループはこういう感じです、みたいな印象が残せるアルバムにしたいなというイメージで、最終的にはこういうラインナップになりました」

――既存曲も含めてmarbleの今を表すという感じですか?

菊池「もちろんすべて新曲で埋めてしまえば、本当にリアルタイムなものになるとは思うのですが、これまでのアルバムを出していなかった2年間もmarbleだし、その中でもやはり変化があるので、それら全部をあわせて、みんなに聴いてもらえたらいいなっていう思いです。実際に聴いてみると、意外といろいろあったんだなって(笑)」