―― こういったデザインについてメンバー内で意見を出しあったりするのですか?
中村氏「市場に合うデザインか、色が合うか、といった検討はしましたね。テーマカラーのラベンダーは入れようとか、白のフェイスにはマルチカラーのストーンにしようとか、カシオらしさとひねりを出せるようにと」
稲月氏「でも、そういう話し合いができるようになったのは最近ですよね。風通しが良くなったので、時計のデザインだけでなく、カタログなどのアイデアもみんなで出しやすくなった気がします」
中村氏「実は半年ほど前、制作チームが全員女性になったときに、情報の扱い方を変えたんです。以前は、完成するまで他部署には製品の情報を出さなかったのですが、いまではコンセプトを公開したり、モックが仕上がった時点でデザインに関する意見を聞いたりしています。そのほうが、モノ作りにも販売店さんへのプレゼンなどにも有利に働くと思うんですよね」
稲月氏「女性が集まったこのチームだからこそ、ですよね。SHEENは国内では新しいブランドですし、女性の意見を多く取り入れて盛り上げていけるといいですね」
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―― みなさんのアイデアやデザインの源はどこから?
中村氏「色々ですね。携帯電話の塗装を見て『この色できないかな』と思うときもありますよ。いま外箱をデザインする女性だけのプロジェクトが進んでいて、そのときのミーティングでは、お菓子の箱や女の子が好きなものをたくさん集めて、素材や形、質感の研究をしています」
岸野氏「髪飾りとか、最近はかわいいものが多いので気になりますね」
西澤氏「私は雑誌とWebサイトをよく見ます。写真共有アプリの『インスタグラム』で人気の写真をまとめて見たり、気になったワードを検索したりしています」
稲月氏「写真集なども見ますし、ジュエリーショップにはよく行きますね。展示や商品の並べ方などにも、女の人の心をくすぐる見せ方のヒントがありそうなんです」