フルHDは作業領域が広い

据え置き用途の15.6型デスクノートは競合製品が多く、ノートPC市場のなかでも激戦区のひとつだ。特に海外メーカーのモデルには30,000~40,000円台で購入できる製品もあり、PC初心者やビジネスユーザーの人気を集めている。

しかし低価格なデスクノートはスペックもそれなりで、ネット閲覧やメール程度の作業なら問題はないが、仕事やプライベートでの作業をバリバリこなすのに最適と言いがたい。CPUの処理能力やメモリ容量などスペック的な要因もあるが、なにより低価格ノートで主流の解像度1,366×768ドットでは表示領域が狭くて情報量が少なすぎるのだ。

そんな理由もあってか、最近はフルHD表示が可能なノートPCが増えつつある。LaVie G タイプLもそのうちのひとつで、店頭モデルの「LaVie L」にはないが、「NEC Direct」限定の「カスタマイズモデル」でフルHD液晶モデルを選択可能だ。

さらにクアッドコアCPUや16GBのメモリなど高性能パーツを組み合わせることで、デスクトップPCにも引けをとらないハイパワーなマシンに仕上げることができる。格安デスクノートでは性能的に満足できない人にピッタリな、プレミアムな高性能デスクノートに仕立てられるのだ。

LaVie G タイプL フルHD液晶モデルのデスクトップ画面。1,920×1,080ドットなら、複数のウィンドウを同時に開いても作業スペースは十分

本体の天板やキーボード面には非常に鮮やかな光沢塗装が施されている。今回試用したのはパール調の金色を主体としたクリスタルゴールドだが、全体的に光沢のある仕上がりのため、どこを見てもつやつやだ。

光沢があると指紋や油脂の汚れが目立ちがちだが、試用機のクリスタルゴールドではあまり気になることはなかった。本体の質感に関しては店頭販売向けのカタログモデルと同じなので、どのくらいの光沢感か気になる人は量販店の展示機などで確認するといいだろう。

フットプリントは約382×270mmで、B4用紙(364×257mm)よりひと回り大きい程度。厚さは約33.2mmとそれほど薄くはないが、フルフラットなデザインなのでカタログ上の数値よりもスリムな印象を受ける。重量も約3.1kgと15.6型デスクノートとしては標準的な重さだ。モバイル用途には向かないが、据え置きで使うぶんには問題ない。

本体カラーはパール系ゴールド。ドットパターンが刻まれた表面に、細かなキズを自然修復する「スクラッチリペア」層をコーティング

LaVie G タイプLの天板部分(左)と本体底面(右)

液晶ディスプレイはタッチ機能には対応していない。表面は光沢のあるグロス仕上げでコントラストの高い鮮明な映像を楽しめるが、そのぶん光の映り込みもある。輝度が高く視野角も広めなので、利用時に角度を調整すれば問題ないだろう。15.6型でフルHDということもあって文字が小さくて読みづらいのではないかと心配したが、高輝度のLED液晶を採用したパネルは非常に鮮明で、細かい文字もハッキリと視認できた。

クリアで見やすい液晶ディスプレイ(タッチ機能には非対応)。液晶パネルとベゼル(枠幅)がフラットなので、全体的にスッキリした印象を受ける

キーボードはテンキー付きの日本語配列106キー構成。キーピッチは19mmと余裕があり、キーとキーが離れたアイソレーションタイプで打ち間違いも少ない。普通に使っているぶんにはたわみもなく使い勝手は上々だ。

個人的に気になったのは「サクッ」と押しこむような深い打鍵感。キーストロークは約2mmとノートPCでは深い方で、最近のノートはキーストロークの浅い製品が多いためか、打ち心地にちょっとした違和感を感じた。とはいえ軽いタッチで入力できるので、使っていくうちに違和感は解消されるだろう。

数値入力に便利なテンキー付きのキーボード。キー表面のプリントを保護しつつ抗菌効果もあるクリスタライズキーを採用している

ポインティングデバイスは、一般的な2ボタン構成のタッチパッド。Windows 8用のマルチジェスチャに対応しており、例えばWindows 8のスタート画面では、指を横方向にすべらせることで、タッチ操作と同じように横スクロールできる。

タッチパッド部分のみグロスコーティングがないので、ツルツル滑ることなく操作しやすい

オプションのワイヤレスレーザーマウスを利用すれば、ホイールボタンを左右に傾けることでチャームバーを表示したりアプリ一覧を表示できる

キーボード右上には電源ボタンや特殊ボタンを配置。ワンプッシュで省電力モードに切り替えられる「ECO」ボタンなど、便利に使える機能が用意されている

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