「世界初」と孫社長自らも誇り、強靱で堅牢なバックボーン“フルIPバックボーン”を創り上げたという。例として挙げられたのが、東京・大阪間を1テラから10テラへ太くし、冗長化したうえで大容量化、フルメッシュ化され、マクロ基地局伝送路の80%はギガ化されているという。それらノウハウを結集したからこそ、ソフトバンクは660日以上、総務大臣への報告義務がある重大事故(影響利用者数3万以上かつ継続時間2時間以上)は発生していないという結果からも見て取れる。
株主総会でサラッと触れるだけではなく、記者会見を開き報告する義務がある。そう誇らしげに語った孫社長は、続けて同一機種での接続率の高さをアピールした。
iPhone 5での音声接続率に至っては96.8%、パケット接続率に至っては月間1億5000万件のアプリ通信ログを30分ごとまたは移動時に端末から位置情報を送信、圏外・10秒通信不可で接続NGという条件で調査・解析したという。
それにより、基地局建設時における効率化にも役だっており、97.4%という高いパケット接続率を誇る。他のスマホを含めても96.6%というから驚きだ。こういった数値を見せつけられると「偶然ではなく、必然のNo.1」という言葉にも素直に頷ける。
しかし、孫社長はまだまだ満足していないという。その想いを強く抱かせたのは、3.11、東日本大震災だ。
「通信事業社の社長として、あのとき電波が届けられたら、もっと死者を減らせたのではないだろうか。悔しくて悔しくて夜も眠れなかった」と当時の気持ちを語るとともに、「何が何でも電波を繋がりやすくするんだ! 何が何でも他社を上回るネットワークを創るんだ!」と決意したという。事実、その決意が結実したことを今日のプレゼンテーションで雄弁に語ってくれた。