Kindle Fire HDに触れて感じたこと
今回、実際にKindle Fire HDを手にとって操作して特に強く感じたのは、"何よりもコンテンツを重視する"というAmazonの考え方であった。
たとえば、Androidをベースにして開発されたシンプルすぎるほどシンプルな独自OSにしても、ドルビーが開発した迫力満点のサウンドシステムにしても、端末を問わずコンテンツを引き出せる「パーソナル・ドキュメント」にしても、とにかくすべての要素が、"コンテンツの良さを100%引き出し、コンテンツを楽しむ上でユーザーのストレスを極力取り除く"という方向で一貫しているのだ。
だから、Kindle Fire HDには、Androidのようにあちこちをカスタマイズしたり、ウィジェットを並べたり、壁紙を変えたりといった機能はない。それはコンテンツを楽しむのとは別の楽しみ方だからだろう。あくまでも主役は音楽やゲームや映画といったコンテンツであり、Kindle Fire HDはそれを快適に閲覧するための"ベストな道具"であろうとしているように思う。
7インチタブレットということで、iPad miniやNexus 7と比較されがちなKindle Fire HDだが、実際にはライバルではなくまったくの別物だ。iPad miniやNexus 7を持っていたとしても、Kindle Fire HDを買い足す意味は十分にあるだろう。
懸念されるのはAndroidアプリストアとKindleストアの品ぞろえだが、担当者によればKindleストアは当初言われていた5万冊ではなく6万冊からのスタートになっており、アプリストアについてもデベロッパーから問い合わせが多く寄せられており、今後急速に拡大する見込みだという。
Kindle Fire HDの登場でついに役者が出そろった感のある7インチタブレット戦線。来年以降、コンテンツの楽しみ方はがらりと変わるかもしれない。
(記事提供: AndroWire編集部)