動体撮影を語る上で触れておきたいのが、新機能「ベストモーメントキャプチャー」。これには、2つのモードがある。被写体の動きをスロー表示してシャッターチャンスを吟味できる「スロービュー」と、カメラがベストショットをチョイスしてくれる「スマートフォトセレクター」だ。
スロービューは、シャッターボタンを半押しすると、40コマ(約1.3秒間)の静止画を一時的に記録し、スロー再生する機能。そして、このスロービューを見ながら「ここだ!」と思ったところでシャッターボタンを押下すると、そのコマが静止画として記録されるのだ。
しかし、バッファされるシーンが約1.3秒間分しかないため、シャッターチャンスを含む1.3秒間を拾い出すことにまず心を砕く必要がある。あまり早く半押しを始めてしまうと、シャッターチャンスが来る前にバッファが切れてしまうので、いきなり上手く使うのは難しい。半押し状態から指を離してしまうと、バッファがキャンセルされてしまうのもシビアだ。動体撮影時には、前出の連写を活用した方が歩留まりは良い。
【動画】ベストモーメントキャプチャー「スロービュー」で撮った動画 |
スマートフォトセレクターは、人物を撮影をアシストしてくれる機能。シャッターボタンを押した瞬間の前後のシーンをカメラが自動的に撮影、目つぶりやブレなどの失敗写真を除外して、最高の一枚だけを選び出してくれる。カメラがベストショットに選出した1枚だけを保存するか、候補に選ばれた5枚を保存するかを設定することも可能。
また、これらハイスピード撮影&バッファ技術の延長上にあるのが、動画と静止画を融合させた「モーションスナップショット」だ。シャッターボタンを押すと、カメラが静止画とその前後の合計1.6秒の動画を2.5倍のスローモーションとして記録する。スローモーション映像にピアノのBGMが付くという相当に気恥ずかしい機能だが、結婚式のワンシーンなどにはドンピシャでハマりそうだ。特に女性に受けると思う。
ところで今回、Nikon 1でニコンFマウントレンズを使用するためのマウントアダプター「FT1」も同時に借りることができた。そこで、手持ちの望遠ズームを装着。…してはみたものの、コンパクトさとフットワークが身上のミラーレス機に長玉、しかもマウントアダプターを付けてまで……など、ナンセンス以外の何者でもないと私は思っていたことを白状しなければならない。それに、マウントアダプターを使うとベストモーメントキャプチャーはおろか、AF-Cすら使えないという制限もある。
マウントアダプター「FT1」は三脚座付き。三脚使用時はこちらの穴を使用する |
FT1を介してAF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gを装着。Nikon 1に装着すると135mmの中望遠レンズになる |
だが、実際に撮ってみると、これが十分に実用レベル! 小さなボディで長玉を支える違和感はまったくなく、気分的には一眼レフで撮影しているのとそう変わらない。これはひとえに、質の良いEVFとホールドしやすい大型グリップの賜物だろう。
FT1 + AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (オリジナル画像を見る:4,608×3,072ドット) |
FT1 + AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (オリジナル画像を見る:3,072×4,608ドット) |
また、焦点距離300mm時には、フォーマットの関係上なんと810mm相当の超望遠になってくれる。これも面白い。当然ながら手ぶれもしやすくなるので、VR(光学式手ぶれ補正機構)レンズを使いたいところ。ただし、VRレンズは構造上、望遠になるほど構図のズレや傾きが目立ってくるので、動作モードをACTIVEにした方が撮りやすかった。
FT1 + AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6 G(IF) (オリジナル画像を見る:4,608×3,072ドット) |
FT1 + AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6 G(IF) (オリジナル画像を見る:4,608×3,072ドット) |
FT1 + AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6 G(IF) (オリジナル画像を見る:4,608×3,072ドット) |
FT1 + AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6 G(IF) (オリジナル画像を見る:4,608×3,072ドット) |
FT1 + AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6 G(IF) (オリジナル画像を見る:4,608×3,072ドット) |
FT1 + AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6 G(IF) (オリジナル画像を見る:4,608×3,072ドット) |