――登場するキャラクターはすぐに決まった感じですか?
小林氏「最初から決まっていたのはレオンとエイダぐらいですね。あと、ハニガンもおまけのセットみたいな感じで決まって(笑)。そこから映画の内容を考えていく中で、神谷監督から『レオンの地獄巡りをやりたい』という提案が出てきた。レオンをひたすらに痛めつけて苦労させたい、と。じゃあ、バディムービーにしようということでストーリーを考えていきました」
――『ダムネーション』に関しての小林さんの要求は「レオンを主人公に」ぐらいですか?
小林氏「実写版とは違って、シナリオ会議にも全部出ていたので、脚本を作る過程でもいろいろな要望は出しましたが、基本的には神谷監督のやりたいことを尊重しています。ただ、あくまでも世界観がゲームの世界観なので、監督から『こういうことをやりたいんですけど』と言われても、ゲームの世界観に影響しそうなものは止めています。監督は最初、エイダとレオンの恋愛を描きたいと言ってきたんですけど、それをやっちゃうとゲームの世界観に影響が出てしまう。なので、あくまでも『4』の範疇、くっつくのかくっつかないのかわからない……それぐらいにしてください、と」
――『ディジェネレーション』ではゾンビでしたが、今回の『ダムネーション』ではガナードが相手になりました
小林氏「ゲームでは『4』と『5』にゾンビが出てこないので、ファンの方から『ゾンビを出してほしい』という要望が多かった。なので、それに応える意味でも、前回の『ディジェネレーション』ではゾンビを出してもらったのですが、今回は同じネタだとちょっと弱いかなと思って、『ダムネーション』では『4』に出てくるガナードを出しています。それとは逆に、ゲームでは『6』でゾンビが復活している。そんな流れになってますね」
――その一方で、リッカーやタイラントといったウィルスによるB.O.W.も登場します
小林氏「ゲームの世界観においても、アンブレラはありませんが、T-ウィルス、G-ウィルスは残っているという設定ですからね。リッカーに関してもファンからの要望が強かったんですよ。映画でもリッカーは人気が高いので、じゃあ『ダムネーション』でも出しましょうと。タイラントについては、ボスをどうしようかという話になったときに、前作はGを出しましたが、またGを出しても仕方がない。なので今回はタイラントにしようということになりました。リッカーに関してはシリーズ共通のデザインですけど、タイラントは『ダムネーション』ならではのオリジナルデザインになっています」
――「レオンの地獄巡り」がテーマということでしたが
小林氏「なので、今回はピンチの連続ですよ、冒頭から。本当に死にそうになるシーンが盛りだくさんになっています。レオンは『6』にも登場するので、ここで死んでもらったら困るんですけどね(笑)。それでもやはり、ハラハラドキドキの連続になっていると思います」
――相棒役のバディとの絡みも注目ポイントですね
小林氏「そうですね。同い年なんだけど、まったく違う国で生まれて、生き方、考え方も大きく違う。そんな2人のぶつかり合いが上手く描けていると思います」
――そのほかのキャラではJDがいい味を出しています
小林氏「本当にいいキャラですよね、JDは。もともとから面白いキャラではあったのですが、シナリオの都合上、イリーナがカットされ、その要素がJDに融合された。イリーナというのはバディのフィアンセで、会話の中にしか出てきませんが、最初は本人が登場して、物語にも大きく絡む予定だったんですよ。それが、尺の都合と制作の都合でカットになり、その役割がすべてJDに上乗せされたんですけど、それによって、よりキャラクターが活きてきたと思います」
――最高のバイプレイヤーですよね
小林氏「役者さんも良かったんですよ。JDだけはモーションと声を同じ人が担当しているのですが、すごく芸達者な役者さんで、キャラの個性は全部その役者さんのおかげだといってもいいかもしれません」