ベンチマーク結果はいずれも好スコア
続いてベンチマーク結果を紹介しよう。まずWindowsエクスペリエンスインデックスの結果は、プロセッサが「6.9」、メモリが「5.9」、グラフィックスが「5.8」、ゲーム用グラフィックスが「6.3」、プライマリハードディスクは「7.9」だった。
2012年7月現在では各スコアの最高値が「7.9」であり、「プライマリハードディスク」が「7.9」で高止まりという見方もできる。単体のSSDでも「7.9」のスコアが出ることがあるため、RAID 0構成のAspire S5なら、もっと高いスコアをあげても良さそうだ。グラフィックスのスコアがもっとも低いが、これはデスクトップの描画性能を表わす指針なので、それほど気にする必要はない。全体的にこれだけのスコアであれば、長く利用できるだろう。
マシンの総合的な性能を計測する「PCMark7」と「PCMark Vantage」(64bit版)の結果は以下の通り。
■ PCMark 7 | ■ PCMark Vantage 64bit | ||
---|---|---|---|
PCMark score | 5889 | PCMark Score | 11866 |
Lightweight score | 4553 | Memories Score | 6481 |
Productivity score | 3607 | TV and Movies Score | 4599 |
Creativity score | 10043 | Gaming Score | 7831 |
Entertainment score | 4294 | Music Score | 14689 |
Computation score | 31821 | Communications Score | 13356 |
System storage score | 5412 | Productivity Score | 15313 |
HDD Score | 45444 |
おおむね高い目の数値が出ているが、特に注目したいのはPCMark 7の「Computation score」の「31821」というスコアだ。主にCPUやGPUの性能を計測するこのワークロードで高い数値が出ているということは、マシンの処理能力が優れているということを表わしている。PCMark 7やPCMark Vantageのスコアはストレージ性能の影響が大きいと言われているが、それを考慮に入れてもこのスコアは驚きだ。Ultrabookと言えば多少マシンパワーは劣るものと思われがちだが、これだけのパワーがあれば幅広い用途でストレスなく利用できるだろう。
電源オフの状態からデスクトップが表示されるまでの時間を複数回計測したところ、起動時間は平均で14.3秒という結果だった。スリープからの復帰は「Acer Instant On」機能の効果から特に高速で、1~2秒程度で利用できる。さらに「Acer Instant Connect」機能によって瞬時に無線LANへの再接続が可能だ。普段使いにはスリープ状態を利用するのがおすすめ。ただ、より電力消費量の少ない休止状態は無効化されているので、必要な場合は有効化するといいだろう。
また、Aspire S5は、Thunderbolt端子を持っているのが特徴の1つ。そこでThunderboltとUSB 3.0に対応したバッファローのポータブルHDD「HD-PA1.0TU3」をお借りして、ストレージベンチマークの「CrystalDiskMark」を実行してみた。参考までに、RAID 0構成の内蔵SSDのスコアも計測している。
結果を見ると、内蔵SSDがもっとも高速なのは当然だろう。Thunderbolt接続とUSB 3.0接続がほぼ同等なのは、インタフェースの性能(理論上の速度)と比較して、「HD-PA1.0TU3」(の内蔵HDD)の速度が大幅に下回ることが理由。今の時点では現実的ではないが、仮に外付け型のSSDといった高速な周辺機器が一般的になってくれば、Thunderboltが活躍する場面も増えていくだろう。USB 3.0が登場したときもそうだった。
2012年7月26日追記
2012年7月26日の時点で、バッファローの「HD-PA1.0TU3」は、Windows環境におけるThunderbolt接続には正式対応していない(USB 2.0/3.0接続は正式対応)。記事中ではメーカーサポート外の使い方をしている点をご了承いただきたい。
バッテリ駆動時間の計測には、BBench(海人氏作)を利用した。Windows 7の電源プランは「バランス」、液晶ディスプレイの明るさを「50%」に設定。無線LAN経由で1分ごとにネットにアクセスし、10秒ごとにキー入力を行なう設定でテストしたところ、4時間14分という結果となった。カタログ値では6.5時間となっているので、少々短いかなという気もする。しかし、電力プランを「省電力」に設定すれば、もう少し駆動時間は長くなるだろう。
ところで、ベンチマーク中に気になったのは、マシンの動作音がやや大きく感じる点だ。特に負荷のかかる処理をしていなくても、常にファンが回転しているというような印象を受ける。おそらくボディが極薄なので、パーツから発せられる熱が本体内部にこもりやすくなっているのだろう。長時間使用してもキーボード周辺には熱を感じないが、本体底面はかなり熱くなっていた。自宅や会社のデスクなどで使うときは、ノートPC用の冷却クーラーなどを利用すると安心できるかもしれない。
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