Aspire S5でもっとも特徴的なギミックが、ボタンひとつで本体背面のインタフェース部分が開閉する「Magic Flip ポートドア」だ。キーボードの右上の「Magic Flip」ボタンを押すと本体底面奥の一部がせり上がり、USB 3.0端子やHDMI端子などが利用可能となる。開いた部分はフットスタンドの代わりにもなるという、一石二鳥なシカケだ。

キーボード右上に配置された「Magic Flip」ボタンを押すと……

インタフェースパネルが現れる。パネルにはHDMI端子、USB3.0端子×2、Thunderbolt端子が並ぶ。電源コネクタはパネルの外側にあり、ポートドアの開閉とは無関係

「Magic Flip ポートドア」(以下、ポートドア)は、電源オフ時やスリープ時でも開閉が可能。持ち運ぶ際はポートドアを閉じてからケースなどに収納するといいだろう。各端子は使用状況が自動認識され、ケーブル類が接続されている間はポートドアが閉じないようになっている。接続しているのにポートドアを閉じてしまって、ケーブルや機器を壊してしまうこともない。

薄型ボディを実現するために採用されたポートドアだが、いくつか気になる点もある。まず、動作音が大きいこと。ポートドアを素早く開閉するために電動のモーターが使われており、モーターの動作音がかなり大きく感じる。ポートドアはマシンの排熱用にも利用され、PC内の温度が上昇すると自動的に開くのだが、閉めたまま作業をしていると前触れなしで突然開く場合があるので、ビックリさせられることがあった。

USBメモリやケーブルを接続している時は、Magic Flip ポートドアを開閉できない。また、端子類の上端と背面のカバー部分の距離が近く、例えばフィギュアっぽい作りのUSBメモリなどには、干渉して装着できないものもある。もう少し余裕があるとよかったが、薄型の本体やポートドアという機構上、しかたのないところだ

マシンの熱が上昇すると自動的にポートドアが開く。ポートドアを開きっぱなしにしておけば問題ないのだが、動作音をもう少し抑えてほしかった

いくつか気になる点はあるものの、ギミック自体は非常にユニークでおもしろい。初めて「Magic Flip」ボタンを押してポートが開閉するのを見たときは、ちょっとした感動を覚えたほどだ。慣れれば上記の点も気にならなくなるだろう。

次ページ: 先進パーツと機能を盛り込んだスペック