さて、注目のテレビ・レコーダー機能をチェックしていこう。じつは、筆者の手元には、富士通が2009年の冬モデルとして販売した「FMV-DESKPOWER F/E90D(以下、F/E90D)があるので、この3年でどれだけテレビ・レコーダー機能が進化したのかをF/E90Dとの比較で確認していきたいと思う。
まず起動だが、FH56/HDには電源OFF状態から約5秒で地デジ放送が見られるようになる「クイックテレビ」を搭載している。これは付属のリモコンや本体ボタンを押すことでテレビ機能のみを起動させる機能。一般的な液晶テレビとさほど遜色のない素早さで、テレビ視聴が始められる。ただ、クイックテレビで行えるのは、リアルタイム放映中の番組視聴だけ。番組の録画操作や録画番組の視聴は不可能だ。また、クイックテレビから内蔵のテレビソフトへの移行は、PCを立ち上げるので当然といえば当然だが、時間がかかる。
番組の録画や録画番組の視聴などには、PCを起動させたのちに、テレビ視聴ソフト「DigitalTVBOX」を立ち上げる。これは、「F/E90D」にも古いバージョンが搭載されている、同社のテレビ視聴用ソフトである。FH56/HDは地上/BS/110度CSデジタルのデジタル3波チューナーを2基ずつ搭載し、番組のダブル録画が可能だ。なお、F/E90Dの長時間録画は5倍までだったのが、FH56/HDでは15倍にまで伸びている。
クイックテレビとDigitalTVBOXで、番組表の見た目などかなり異なるが、録画操作などメインで使用するのはDigitalTVBOXになるだろう。F/E90Dでは、EPGサービスの「Gガイド」が別ウインドウで立ち上がる仕様となっていて、鬱陶しいうえに読み込みにもかなり時間がかかっていたが、FH56/HDではテレビソフト備え付けの番組表がすっと立ち上がるようになっていた。
前述したクイックテレビもそうだが、このあたりの操作性に関しては、一般的なテレビと勝負できるスピーディさを意識して作られていると想像できる。個人的には、ストレスをあまり感じることなく使えたので、その点に関しては及第点といえるだろう。
次のページ:レコーダーとしての能力が想像以上に高い! |