建物内のフロアを行き来し、試行錯誤しながら謎を解いていく

このゲームでは、敵との戦闘に勝利するとアイテムがもらえるわけではなく(一部のボス戦を除く)、戦闘とアイテムの入手が別ファクターとなっている。武器はもちろん、使用すれば消費されていく弾薬・回復アイテムも、街・建物内で発見しつつ補充していかなければならない。もちろん買い物という概念もないため、お金も登場しない。

また、それらのアイテムはひっそり(?)と背景に溶け込んでいるかのように棚や床、机などに配置されているため、こまめに探索を行わないとうっかり見逃してしまうという"イヤラシサ"を持っている。さらに、物語を進めていくうえで必要となる重要アイテムや隠し扉などの発見もこの法則に漏れず、画面を注視しながら徹底した調査を行わなければならない。なお、重要アイテムがある場合は、ちょっとしたヒントとして視点移動(その場所へのズームなど)が行われることもあるので、それを見逃さないようにしているといいだろう。

『2』のゲーム開始時は、まず街の探索を行うことに。中盤からは建物内の探索がメインだ

『3』はショッピングモール内からスタートし、建物内の探索がメインとなっている

このように、ゲームは進めない通路や入れない部屋などに入るためのアイテムや仕掛けを探したり、謎解きを行うことで進展していく。当然、謎を解くカギとなるアイテムはそのほとんどが同じ建物内で得ることができるが、それを実際に入手・使用するためには建物内のフロアを何度も行き来しなければならなくなる。

加えて、入手したアイテムは組み合わせることで物語の謎を解くカギとなるシステムも、このゲームの醍醐味のひとつとなっている。先に進めない……例えば自分の力だけではうんともすんとも言わないギミックもアイテムを組み合わせて使用してみると作動したりする。このように組み合わせで試行錯誤した後、物語が進展したときの爽快感は格別と言える。

画面の暗さが恐怖を倍増させる

このゲームを語るうえで外せないファクターのひとつとして、画面の暗さや霧による視界不良が挙げられる。建物内はほぼ真っ暗で、アイテムのライトを点灯させていないと、まず何も見えない。しかもライトの灯りは非常に頼りないもので、照らす範囲は限られている。加えて、街の探索では昼は霧がかかり、画面奥までは見通せないという、先の見えない不安感がプレイヤーに常につきまとう。敵の接近はアイテムのラジオが発するノイズの高低で、ある程度の認知はできる。しかし、先に述べたように視界不良のため、前後左右どちらから近づかれているか判別できないことも多々あり、声はすれど姿は見えない。これが不気味なグラフィックと相まって、実際のお化け屋敷を歩くのに似た恐怖を演出している。

『2』のサイレントヒルは霧がかかり、日が差さないため建物内も暗い。もちろん夜になれば街も暗闇に包まれてしまう

『3』のサイレントヒルも同様に霧で視界が悪い。建物内はかなり老朽化しており、不気味さが増している