xyzzy mumurik版のインストールと起動

それではmumurik氏がメンテナンスを行っているxyzzy mumurik版(以降、xyzzyと省略)をインストールしましょう。もっともインストーラーなどは用意されておらず、ZIP形式ファイルで配布されていますので、サイトに用意されたリンクをクリックして、最新版をダウンロードしてください。執筆時点ではバージョン0.2.3.6が最新版でした。

後は任意のフォルダーに展開するだけですが、筆者は%ProgramFiles(x86)%フォルダーに「Tools」というサブフォルダーを作成し、そこにxyzzyを展開しています(図02~04)。

図02 公式ページにアクセスし、「最新版はこちら」と書かれた下にあるリンクをクリックしてダウンロードを実行します。通知バーが現れたら<ファイルを開く>ボタンをクリックしてください

図03 ダウンロードを終えると関連付けられた圧縮展開ツールが起動します。内容を任意の場所に展開してください

図04 筆者はひとまず%ProgramFiles(x86)%\Toolsフォルダー下に移動させました。また、フォルダー名も「xyzzy」にリネームしています

後は実行ファイルである「xyzzy.exe」をダブルクリックしてください。これでxyzzyが起動します。ここでは一度終了させ、xyzzyフォルダーを確認してみましょう。同フォルダーには、新たに「xyzzy.wxp」というファイルが生成されています。こちらはxyzzy起動時に参照するデータをまとめたダンプファイルと呼ばれるもの。同ファイルが存在しない場合、xyzzy.exeは読み込んだデータをダンプファイルに出力し、次回以降の起動を高速化させる仕組みを備えています(図05~06)。

図05 「xyzzy.exe」をダブルクリックすれば、xyzzyが起動します

図06 xyzzyのフォルダーには、データを取りまとめたダンプファイル「xyzzy.wxp」が作成されます

もうひとつ生成されるのが、「xyzzy.ini」というファイル。こちらは拡張子名からもわかるように、xyzzyの基本的な設定情報を記録するINIファイルです。「usr\{ユーザー名}\wxp\」フォルダーに作成され、ウィンドウポジションやフォント情報などが記述されますが、ユーザーが直接編集する必要はありません。ただ、トラブルシューティングのひとつとして同ファイルを削除するということもあるため紹介しました(図07~08)。

図07 INIファイルは「usr\{ユーザー名}\wxp\」フォルダーに作成されます

図08 「xyzzy.ini」の内容。ご覧のとおりフォントや配色情報などが保存されています

続いて「siteinit.l」「.xyzzy」、二つのファイルを作成します。いずれもxyzzy起動時に参照され、自動実行するマクロを記述するファイルですが、siteinit.lファイルは前述のダンプファイルを一度削除しないと読み込まれません。後者の.xyzzyファイルは環境設定による明示化が必要ながらもダンプファイルを更新せずに反映されます。

どちらも一長一短ですが、後者に長いマクロを記述しますと、xyzzyの起動時間が遅くなってしまうという問題が。そのため、.xyzzyファイルで動作を確認し、安定動作を確認したらsiteinit.lファイルに記述内容を移動させ、ダンプファイルを削除してからxyzzyを再起動しましょう。ここではいずれのファイルも空の状態で作成し、環境変数設定を行います。なお、複数の方で共用するコンピューターでxyzzyを使用する場合、.xyzzyファイルはユーザーフォルダーに作成し、ユーザー環境変数も合わせて変更してください(図09~14)。

図09 xyzzyを起動し、<ファイル>メニューから<名前を付けて保存>をクリックします

図10 site-lispフォルダーを開き、ファイル名を「siteinit.l」に変更して<保存>ボタンをクリックします

図11 図09を参考に「名前を付けて保存」を実行し、xyzzyの展開フォルダーに移動してから、ファイル名を「.xyzzy」に変更して<保存>ボタンをクリックします

図12 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「SystemPropertiesAdvanced.exe」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図13 <詳細設定>タブがアクティブな状態で「システムのプロパティ」が起動したら、<環境変数>ボタンをクリックします

図14 「ユーザー環境変数」の<新規>ボタンをクリックし、変数名を「XYZZYHOME」、変数値をxyzzyの展開フォルダーに変更して<OK>ボタンをクリックします。図13のダイアログの<OK>ボタンをクリックして設定完了です

xyzzyを使用する"最初"の設定はこれで完了です。しかし、まだまだ設定すべき項目は数多く用意されていますので、次節からはxyzzyのカスタマイズ方法を紹介しましょう。