サービスの開始日は3月1日からで、利用可能地域は日本全国。利用条件はFOMAまたはXi(総合プラン)契約者でiモード、spモード、mopera Uサービスのいずれかを利用していること。震度6以上の地震など、大きな災害が発生した場合に災害用伝言板と同時にサービスが開始される。会場では実機を使ったデモンストレーションが行われた。

送信先の電話番号は電話帳や入力履歴からも選べる(写真左)

相手には「音声メッセージが届きました」という知らせが届く(写真右)

質疑応答の時間になり、岩崎氏と尾上氏が記者団の質問に答えた。今回のサービスが他社と相互乗り入れできる時期はいつ頃になるのか、という質問には「事業者間で話し合いが続いており、正確な時期はまだ答えられない。現在、どういったインターフェースでつなぐかという詰めの議論を行なっている。早くても来年度中にできるかどうか」と回答した。また、パケット通信が災害時につながりやすかった理由は何か、という質問には「パケットの場合は一旦ドコモで預かってから相手に伝えるという"待ち合わせ"の方式なので、音声に比べればつながりやすい」と説明した。ちなみに3月11日のケースでは通常時の50倍から60倍の通信があったという。

最近、平時でも通信量の増加によってつながらない状況が出てきているが、災害時に本当に使えるのか、という質問には「今後、安定して運用できる状態をつくっていきたい。そのために、大ゾーン基地局の設置や自社バッテリーの設置などを進めている。いかに早く通信を回復できるか、ノウハウを活かしながら災害に強いネットワークを構築していく」と答えた。アプリをインストールしていなかった、携帯が破損・水没・電池切れになったなどのときの救済策はあるのか、という質問には「同じような議論があり内部でも検討したが、まだ決定的となるような良い案が出てきていない。将来的には色々考えていかないといけない」と答えるにとどまった。

今回の災害用音声お届けサービスは、らくらくホンやキッズケータイを持つ通信に詳しくない層にこそ必要だと思われるが、そういった端末に実装はされるのか、という質問には「スマートフォンの場合はアップデートで対応できるが、フィーチャーフォンは新しい機種からしか対応できない。iモード対応機は今冬モデルから対応している。今後はできるだけ対応していきたい」と回答した。なお、iモーションに対応している端末であれば、音声メッセージを受信して聞くことはできるとのことだった。

平常時に使えないシステムは災害時にも使いにくい。普段から使えるようにしておくことが、災害時にも使えるようになる土壌になるのでは、という質問には「3月中、および毎月1日と15日などに「体験サービス」を実施するので、そこで体験して欲しい。同サービスは全国無料で通話ができるシステムであり、普段から使えるようにしておくことは、なかなか現時点では難しい」と説明した。

(記事提供: AndroWire編集部)