Googleが提供する"Androidアプリ"「Google Music」(以下Google Musicアプリ)は、Androidにおいて音楽ファイルや音楽サービスを利用して音楽を再生するためのソフトウェアだ。
Google Musicアプリは、通常の音楽プレイヤーソフトウェアと同じように、Android端末のSDカードなどローカルに保存されている音楽データを再生することができるほか、Googleが提供する同名の"音楽サービス"「Google Music」(以下Google Musicサービス)のクライアントソフトウェアとして利用可能で、ユーザーがGoogleのサーバーにアップロードした音楽ファイルを、ネット経由でストリーミング再生することが可能になる。
これにより、端末に音楽ファイルをコピーする必要なく、文字通りいつでもどこでも自分の音楽ライブラリを再生することが可能になる。
Honeycomb以降に標準搭載されているGoogle Musicアプリ
Google Musicアプリは、HoneycombことAndroid 3.x以降のAndroidに標準搭載されている。このため、Android 3.xおよびAndroid 4.0のAndroid OSを搭載している端末には、今回紹介するGoogle Musicアプリと同じアイコンを持ったアプリケーションが標準搭載のアプリケーションとして搭載されている。従って、今回紹介するGoogle Musicアプリは、その標準搭載のバージョンアップ版ということになる。
原稿執筆時点でのGoogle Musicアプリの最新バージョンは4.0.9なのだが、この最新版は日本のキャリアのSIMカードが挿入されている端末からはインストールすることができない。というのも、後述する、Webサービスである同名のGoogle Musicサービスが米国のユーザーにのみしか公開されていない関係で、この4.0.9は米国のキャリアのSIMカードが挿入されている端末のみインストールできるようになっているからだ。このため、インストールするには米国のキャリア(AT&T WirelessやT-Mobile USAなど)のSIMを、SIMロックフリーの端末に挿入しWi-Fi経由などでインターネットに接続しインストールする必要がある。なお、1度インストールしてしまえば、元の日本のキャリアのSIMに戻してもアプリケーション自体は使い続けることができる。あくまでインストール時に米国キャリアのSIMカードが入っている必要があるということだ。
Google Musicアプリの基本的な機能は、音楽を再生するというシンプルなものだ。ローカルにあるMP3やm4aなどの音楽ファイルを探し出しリスト化し、ユーザーの要求に応じて再生する。画面はタブ化されており、新着、アーチスト、アルバム、曲、プレイリスト、ジャンルから好みのタブを選んで、曲やアルバムなどを探して曲を選択することが再生が行われる。再生が開始されると画面の下部にコントロールパネルが表示され、再生/停止、スキップ、曲戻しなどのボタンが表示される。さらに細かな操作をしたい場合には、下部に表示されるガイドをタッチするとシャッフルやリピートなどのボタンが表示され、ポータブルプレイヤーのように操作することが可能になっている。
スマートフォンなどで縦表示している時には文字中心の表示でジャケット写真が左側に表示される形になっているが、横表示に切り替えるとアルバムやアーチスト表示ではジャケットを中心にしたグラフィカルな表示になり、曲を選ぶのが楽しくなる表示だ。曲が見つからない場合には、虫眼鏡のアイコンをタッチすると、文字を入力して目的の曲やアーチストを簡単に選択することが可能になる。
また、ポータブルプレイヤーとして利用する場合に見逃せない点としては、BluetoothのAVRCPプロファイルを利用したリモートコントロール機能に標準で対応していることがあげられる。これにより、Bluetoothヘッドフォンのリモコン機能を利用して曲の先送り、曲戻し、再生/停止などの操作が可能になっている。
ただ、やや残念なのはロック画面での再生、停止などを可能にする機能が実装されていないことだろう。このため、時間が経てば画面を自動でロックする設定にしているユーザーの場合、音楽の停止や曲送りをする場合でも、ロックを解除しなければ操作することができない。Androidでもアプリケーションによってはこの機能が実装されている場合があるし、iPhoneなどでは標準で用意されている機能なので、ぜひとも将来のバージョンでは実装して欲しいところだ。
Google Musicアプリのメイン画面。上部にタブが用意されており、曲を探しやすくなっている |
曲のタブを選んだところ。文字だけの表示でやや寂しい |
アーチストのタブを選んだところ、文字だけの表示となりやや寂しい |