Windows Vista以降であればMTPをOSレベルでサポートしているため、エクスプローラ上からいままで通り直接内部のフォルダにアクセスできる。だがWindows XPの場合はMedia Transfer Protocol Porting Kitのようなツールや、Windows Media Player 10以降をインストールして、ツールから間接的にアクセスする必要がある。Macについては、GoogleがAndroid File Transferというツールを提供しているので、これを利用するといいだろう。使い勝手は決して良くはないが、一度インストールすると以後はMTPデバイスが接続されるたびに自動起動してファイル操作が可能になる。またファイル操作が煩雑になった代わりというわけではないが、Galaxy NexusとICSでは従来までサポートしていなかったスクリーンキャプチャ機能を標準で備えている。やり方は電源ボタンとボリューム(小)の長押しで、スクリーンショット取得に成功すると画面上にアニメーションが走ってその様子を伝えてくれる。誤操作も多いので使い勝手はややいまいちだが、デバッグモードを利用したりといったこれまでの苦労を考えれば、その手間は雲泥の差だ。

ICSの設定画面は従来とは異なり、アプリ一覧から「設定」アイコンを選択して開くことになる。ショートカットをホーム画面に作成しておくといいだろう。バックアップメニューではバックアップと復元に関するより細かい設定が可能

内蔵ストレージの確認画面。今回のサンプルでは16GBのストレージが用意されており、「内蔵」「外部」の区別はない。このあたりはHoneycombと同様で、Android 2.x時代に悩まされたアプリのインストールにおける内蔵ストレージ容量制限はないようだ

Webブラウザの実行画面。画面上部にはタブの切り替えとメニュー選択アイコンが用意されている。ブラウザの動作はきびきびしており、タブ切り替えも以前より煩雑さが減って使いやすくなった印象だ。なおFlashは現時点でICSに対応していないため、動画閲覧にはサイトのHTML5表示モードを使うか、専用アプリを起動して閲覧する必要がある

Google+がデフォルトで利用する設定になっているのもICSの特徴。カメラ等のセットアップの際、Google+への写真の自動アップロード設定を有効にするかを確認してくる

ICSの新機能の1つ。ネットワークのデータ通信にクォータを設定して、使用容量が一定になると警告メッセージを出したり、利用を止められる。ただ、あくまで目安に過ぎないので、実際には通信事業者が用意する使用量データを参照したほうがいいだろう

ICSの新機能「Androidビーム」と「Wi-Fi Direct」。AndroidビームはNFC (Near Field Communications)を使ってICS端末同士をタッチすることで近接通信を行う。どのアプリが呼び出され、どういった動作になるかはアプリに依存する。基本的に赤外線通信同様に、アプリ間でデータを交換するのが主な役割になるとみられる。Wi-Fi Directについては、アクセスポイントを経由せずに端末間で直接Wi-Fiによる高速データ転送を行う。どちらも、まずは対応端末が増えないことには意味を成さないだろう

ICS利用における注意点だが、従来までサポートされていたUSBマスストレージモードは利用できない。そのため、USBを介してPC等にデータを転送する場合、MTPまたはPTPのプロトコルを用いることになる。Windows Vista以降のOSであればMTPがOSで標準サポートされているため、接続するだけでエクスプローラ上からファイル操作が可能。Windows XPまたはMacの場合は、別途追加または専用ソフトウェアを用意する必要がある

Macでは標準でMTP転送可能なソフトウェアが用意されていないため、Googleが配布している「Android File Transfer」というアプリケーションを使う必要がある。インストール後はOSに常駐し、MTPデバイスをUSBに接続するたびにAndroid File Transferが起動してファイルブラウザ画面が開く。ドラッグ&ドロップでデスクトップやFinderとのファイルコピーが可能なソフトウェアではあるが、操作性はそれほど良くないので割り切って使ったほうがいい

Windowsの場合、Vista以上であればOS標準でMTPをサポートするため、そのままエクスプローラから内部のファイルを操作できる。このほか、Windows Media Player (MTP)やカメラ接続(PTP)経由でファイルを取り込むことも可能

Google Mapsは従来どおりだが、3Dモードでの回転操作でもスムーズに指の動きについてくるので快適だ。実物を触る機会があったらぜひトライしてみてほしい

筆者が個人的にICSで評価しているのは、このアプリ切り替え画面。アプリ切り替え用の専用ボタンが用意されているのはポイントが高い。また気付いた方がいるかもしれないが、設定メニューボタンが右下に出現しているのがわかるだろう。これはTwitter for Androidアプリの仕様だ。このあたりの統一感をもう少しきちんとしてもらえれば、ユーザーインターフェイスとしては申し分ないレベルに達すると思う