導入するOSをWindows XPに変更して再チャレンジしてみたが、「BOOT革命/USB Ver.5」がUSBストレージをフォーマットしてしまうため、Windows 7と同じく結果になってしまう。今度はAndroid端末のアンマウント操作を行わずにWindows 7をエクスターナルインストールで導入することで、やっとデスクトップ画面を拝むことができた。
ただし、デスクトップ画面が現れるまでには、Windows OSの通例としてレジストリの再構築やデバイスドライバーのインストール処理が行われる。その際のファイルアクセスが大量に発生するため、比較的時間がかかるのはUSB-HDDで試した際に把握していたが、Android端末(+microSDカード)の構成では、十時間ほど待つことになってしまった。いつまで経っても処理が終わらないため、ハングアップしたのではないかと勘違いしてしまうほどである。
明らかに異常な数値だが、Android端末がサポートしていないNTFS形式で運用する時点で、このようなトラブルが発生してもおかしいことではない。また、筆者の設定ミスに起因しているのかもしれないが、さすがに検証するまでの気力は残っていなかった(図15~16)。
いずれにせよAndroid端末をUSBストレージとして使用することに成功したが、総合的には失敗である。なぜなら、一度microSDカードをアンマウントすると再マウントできないため、「BOOT革命/USB Ver.5」で実現されるポータビリティという利点を損なっているからだ。
Android端末がサポートするFAT32を、メインファイルシステムとして使用できるのはWindows XPまでだが、「BOOT革命/USB Ver.5」の仕組みにフォーマットの有無を選択できるようになれば、携帯電話としてのAndroid端末を活かしながら、Windows OSを持ち運べるという夢のような世界にたどりつけるかもしれない。
Android OSがNTFSをサポートする可能性は寡聞にしてわからないが、今後も増えるであろうAndroid端末をサポートするためにも、開発・販売元であるアーク情報システムの技術力に期待したい。