印刷速度や印刷品質は?

印刷速度は簡単に計測してみた。PCからのL判フチなし写真印刷には付属ソフトのEasy-PhotoPrint EXを使い、紙送り開始から排紙完了までの時間だ。同じくL判フチなしのダイレクト写真印刷は、MG6230で印刷実行してから排紙完了までの時間で、SDメモリーカードのデータを印刷した。印刷用紙は、キヤノン純正のフォト用紙「キヤノン写真用紙・光沢ゴールド」だ。

L判フチなし写真印刷(PC) 標準 きれい
16.2秒 36.7秒
L判フチなし写真印刷(ダイレクト) 標準 きれい
19.6秒 42.5秒
A4普通紙カラーコピー 標準 はやい
18.3秒 14.8秒

当然だが、印刷品質は「標準」設定より「きれい」設定のほうが印刷時間は長いものの、見た目の画質差はほとんど分からない。もはや高度な間違い探しのようなレベルだ。速度も考えて、通常は「標準」設定で十分だろう。

また、PC印刷とダイレクト印刷の結果を見比べると、ダイレクト印刷のほうが陰影と赤みが微妙に強く出るようだ。デジタルカメラで人物を撮影した画像を意識してのことなのか、肌色の階調表現が豊かになってるような印象を受けた。

MG6230で印刷したL判フチなし写真を、MG6230でスキャンしたもの。発色はディスプレイ環境で左右されるため、参考程度に考えてほしい

A4普通紙カラーコピーの速度計測で用いた原稿

スマートフォンやタブレットからも簡単に印刷

iOS用とAndroid用の印刷アプリ「Canon Easy-PhotoPrint」も提供されている(無料)。今回はiOS版を手持ちのiPod touchで試してみた。iPod touchをWi-Fi接続すると、MG6230を見つけて各種機能が使えるようになる。カメラロールとフォトライブラリに保存された画像の印刷が行えるほか、PDF印刷やスキャナ機能の利用なども可能だ。スキャンしたデータを端末側に保存することもできる。Webサイトをキャプチャして印刷できるなど、使いようによってはかなり便利ではないだろうか。

「Canon Easy-PhotoPrint」(iOS版)のメニューはシンプル。対応プリンタによる写真の印刷とスキャンが可能

原稿の種類、カラー/モノクロ、原稿サイズなどを設定できるスキャン設定

安心して選べる2011年秋冬のインクジェット複合機

MG6230は無線LAN対応のインクジェット複合機として、基本的な機能はオーソドックスながら、付加的/応用的な機能が高いレベルでまとめられている。スタンドアロンでも幅広く使え、PCから使えばいろいろな印刷やスキャンも思いのままだ。古いプリンタや複合機をそろそろ買い替え…、と考えている人にも、安心して選べる1台になっている。余談だが、将来的にはPCを使わずとも、スマートフォンやタブレットデバイスから何でもできそうな、そんな期待も感じた。

■主な仕様
製品名 PIXUS MG6230
インク 6色独立インクシステム(染料C/M/Y/BK/GY+顔料BK)
印刷解像度 最高9,600×2,400dpi
スキャン光学解像度 4,800×4,800dpi
イメージセンサー CIS
最大用紙サイズ A4
給紙 前面カセット(普通紙専用、最大150枚)
後トレイ(普通紙最大150枚、ハガキ40枚)
自動両面印刷 対応
CD/DVD/BDレーベル印刷 対応
液晶モニタ 3.0型カラー
インタフェース IEEE802.11b/g/n対応無線LAN
10BASE-T/100BASE-TX対応有線LAN
USB 2.0
メモリカードスロット
本体サイズ/重量 W470×D367×H173mm/約9.2kg
店頭予想価格 30,000円前後