「TVモード」でブロードバンド映像配信サービスも快適
最近は「ひかりTV」や「アクトビラ」など、ブロードバンド映像配信サービスを利用するユーザーも増えてきた。しかし、有線LAN接続なら問題はなくても、ハイビジョン映像を無線LAN経由で映像を視聴すると、帯域が不足したり、接続が不安定になって、映像が乱れたり途切れたりしがちだ。
しかし、AtermWR8600Nには、「TVモード」と呼ばれるストリーミング映像を安定して送信するためのモードが用意されている。例えば、イーサネットコンバータセットに付属するイーサネットコンバータ「WL300NE-AG」は、TVモードをサポートしており、5GHz帯で接続することで自動的にTVモードが有効になる。PCの内蔵無線LANなどは、クイックWeb設定で「TVモード」を有効にすることで、TVモードを利用可能だ。
イーサネットコンバータ「WL300NE-AG」はAtermWR8600Nと同じデザインコンセプトで、統一感がある(写真左)。側面には、らくらくスタートボタンがある。背面は、イーサネットポート×2基と5GHz/2.4GHz優先接続切替スイッチ、電源コネクタだ |
TVモードは、無線LANのQoS規格「WMM」に対応しており、帯域が保証される。同じ周波数帯で他の通信を行っていても、ストリーミング映像が途切れたりすることはない。
実際に、WL300NE-AGを利用して、アクトビラのハイビジョン映像を液晶テレビで再生してみたが、非常に安定した視聴が行えた。同時に、同じ5GHz帯で他のノートPCでインターネットからのダウンロードを行っても、映像が途切れたり荒くなるようなことはなく、快適であった。なお、イーサネットコンバータセットに付属のイーサネットコンバータは、親機との無線LAN接続設定が完了しているので、電源を繋ぐだけですぐに利用できる。
WL300NE-AGを利用して液晶テレビを無線LAN経由でインターネットに接続し、アクトビラを視聴しているところ |
AIRインジケーターの色で電波強度が分かる。TVモードでの接続時は、TVインジケーターが点灯する |
また、イーサネットコンバータに、電波強度によって色が変わるAIRインジケーターが用意されていることも評価できる。緑色、オレンジ色、赤色の3段階で電波強度を知ることができるので便利だ。
簡易NASとして使えるファイル共有機能やメディアサーバ機能
AtermWR8600Nは、背面のUSBポートにUSBメモリや外付け型HDDを接続することで、ネットワーク上からファイルアクセスが可能となる簡易NAS機能を備えている。映像や音楽、写真などのデータファイルを家庭内の複数PCで共有できるほか、外出先から自宅のUSBメモリや外付け型HDDにアクセスするUSBファイルHTTP公開機能(ブラウザファイル公開機能)も搭載している。
USBファイルHTTP公開機能では、Webブラウザを利用して、インターネット経由でのファイルアクセスも可能になる(固定グローバルIPまたはDDNS、ホームIPロケーション機能などの利用が必要)。速度的には専用NASにかなわないが、それほどサイズの大きくないファイルをやりとりするのなら、十分に使える。
さらに、メディアサーバ機能も備えており、USBポートに接続したストレージ内の画像や音楽、動画といったマルチメディアコンテンツを、ネットワーク内のDLNA対応機器から再生することが可能だ。最近の液晶テレビは多くの製品がDLNAに対応しているので、AtermWR8600Nに接続したストレージ内のマルチメディアコンテンツを手軽に再生できる。デジカメで撮影した写真をみんなで見たい場合などに便利な機能だ。