もう1つの大きな進化のポイントは、各種の操作レスポンスが向上したこと。電子先幕シャッターの採用などによって、レリーズタイムラグは従来の1/5に短縮され、約0.02秒を実現。テンポよくシャッターを切ることが可能になった。撮影直後のオートレビュー(アフタービュー)が表示されるまでのブラックアウトの時間が短くなった点もありがたい。

さらに、撮像素子からの映像の読み出し速度の高速化や、画像処理エンジンのリファインなどによって、オートフォーカスの速度は約2倍にスピードアップした。薄暗いシーンではまだ遅い印象があり十分とはいえないが、屋外などの明るい場所ではてきぱきと撮影できる。

連写については、速度優先連続撮影モード時の最高速度が従来の秒間7コマから秒間10コマへと高速化した。Class 10のSDHCカードを使ったテストでは、JPEG/FINEで最大10コマ、RAW+JPEGで最大4コマまで途切れることなく連写できた。なお後述するレンズの歪曲収差補正をオートに設定すると、連写の速度や枚数が低下するので、連写を重視する場合はこれをOffにしておくこと。

シンプルにまとまった操作ボタン類

秒間10コマの速度優先連続撮影に対応

新機能としては、被写体の動きに応じてAFエリアの移動が自動的に動く「追尾フォーカス」や、あらかじめセットした顔に優先的にピントを合わせる「個人顔登録」機能を搭載。どちらもコンパクトデジカメから移植された機能だ。追尾フォーカスの速度や精度がもっとアップすれば実用的になると思うが、現状はゆっくり動く被写体のみに対応する。

「MENU」を押して表示されるトップ画面

3Dスイングパノラマなどの機能を継承する

画像に特殊効果を加えるピクチャーエフェクト機能は、これまでの7モードに4モードを追加。新たに搭載したのは、1回のシャッターで自動的に連写と合成を行い、シャドウからハイライトまで階調豊かな白黒画像を作成する「リッチトーンモノクロ」、および階調を広げてイラスト風に仕上げる「絵画調HDR」、ぼかし効果を加える「ソフトフォーカス」、風景をオモチャ風に加工する「ミニチュア」だ。静止画だけでなく動画にも利用できる。

また、レンズ収差を自動補正機能するとして「周辺光量低下/倍率色収差/歪曲収差」の3つに対応した。メニューからそれぞれを個別に「オート/切」に設定できる。これらの補正は、RAWで撮影し、後から付属ソフトなどで現像する際に補正するという手もあるが、JPEGで手早く補正しながら撮りたい人には役立つだろう。

ピクチャーエフェクトの設定画面

ピクチャーエフェクト「リッチトーンモノクロ」で撮影

ピクチャーエフェクト「絵画調HDR」で撮影