MicrosoftのSkyDriveは便利!?

さて、Windows Live IDの取得を終えたところで、SkyDriveのポイントをいくつか紹介しましょう。前述のとおり同サービスは、100MBまでのファイルを25GBファイルまでアップロード/ダウンロード可能。ファイル形式の制限は設けられていませんが、フォルダー単位のアップロードはできないため、作業フォルダー全体をアップロードするには、一度ZIP形式などを用いて圧縮しなければなりません。

冠に「Windows」という名を付けていることから、Windows OS専用サービスの印象を持ちますが、執筆時点ではMicrosoft Silverlightを用いたUI(ユーザーインターフェース)を提供していますので、Windows OS環境であればMozilla FirefoxやGoogle Chromeなど、Webブラウザーを選びません。また、Macintosh用Silverlightも用意されていますので、Apple SafariやMozilla Firefoxでも使用可能です。蛇足ですが、以前のSkyDriveはUIにActiveXコンポーネントを使っていたため、Windows OS以外で使用することは実質的にできませんでした(図11)。

図11 SkyDriveの主な特徴

それでは、実際にファイルをアップロードしてみましょう。SkyDriveを使用するにはSilverlightの導入が求められますが、導入されていない環境では旧来のアップロードスタイルが使用可能です。ただし、サムネイル表示など各機能が使用できませんので、特に問題がなければSilverlightを導入しましょう。同環境ではファイルをWebブラウザー内にドラッグ&ドロップすることでアップロード可能になります(図12~17)。

図12 SkyDriveにアクセスし、Web上部にある<ファイルの追加>をクリックします

図13 アップロード先となるフォルダーの選択をうながされます。ここでは「新規フォルダー」をクリックしましょう

図14 フォルダー名の入力をうながされます。テキストボックスにわかりやすい名前を付けて<次へ>ボタンをクリックしてください

図15 最新のSilverlightが導入されていない場合、旧タイプのアップロードスタイルが提示されます。<最新バージョンのSilverlightをインストール~>をクリックし、通知バーの<実行>ボタンをクリック。画面の指示に従ってSilverlightを導入してください。導入後はWebページを更新します

図16 最新のSilverlightが導入された状態では、ドラッグ&ドロップによるアップロードが可能になります。またリンクをクリックし、コモンダイアログからファイルを選択してアップロードすることも可能です

図17 後はアップロードするファイルをWebページの点線で囲んだ部分にドラッグ&ドロップすれば、アップロードが実行されます

動画や画像ファイルに関してはアップロードした時点でサムネイルが表示される形式と、ファイルを示すアイコンだけとなる形式があります。しかし、フォルダーを閲覧する際にはサムネイルが生成されることを踏まえると、アップロード後にサムネイル作成ロジックがサーバー側で動作するため、アップロード直後はファイルアイコンになってしまうのでしょう(図18)。

図18 画像ファイルのアップロードは、瞬時にサムネイルが作成される形式とされない形式があります。ここでサムネイルが作成されない場合も、あとから作成されるのでご安心ください

アップロードしたファイルの参照はSkyDriveのフォルダーから実行します。画像ファイルや動画ファイルをクリックした際は、そのままWebブラウザー内で閲覧が始まり、ZIP形式などは通知バーによるダウンロードが実行されます。詳しくは後述しますが、任意のフォルダーを遠方の両親や友人などと共有することで、メディアファイルの閲覧がWeb上で完結するため、コンピューターに詳しくない方とでもコンテンツを楽しむことができるでしょう(図19~21)。

図19 今度は図14で付けたフォルダー名をクリックし、フォルダー内のファイルを表示させましょう。初期状態ではエクスプローラーで言うところの詳細表示となります

図20 <縮小表示>ボタンをクリックしますと、各画像や動画ファイルのサムネイルが表示されます。また、<詳細ビュー>ボタンをクリックすれば図19の状態に戻ります

図21 画像や動画ファイルをクリックしますと、Webブラウザー内で閲覧が可能になります

また、SkyDriveはMicrosoftが提供するサービスだけあって、WordやExcelのドキュメントファイルをオンライン上で閲覧・編集できるMicrosoft Office Web Appsが使用可能です。同サービスは、SkyDrive上でドキュメントの作成・編集・保存・共有を可能にする無料のオンラインアプリケーション。一部の機能は制限されていますが、Office 2010ベースのリボンUIを採用しているため、Microsoft Officeを所有していないユーザーでも、Word/Excel/PowerPoint/OneNoteを簡易的ながら使用可能になるのです(図22~24)。

図22 オンラインフォルダーに並ぶExcelワークシートファイル。ローカルディスクの同ファイルをアップロードすることも、オンラインフォルダー内で新規作成することも可能です

図23 アップロードしたExcelワークシートファイルには、ローカル版と同じくタブも用意され、快適な閲覧が可能です

図24 こちらは<ブラウザーで編集>をクリックした状態。Excel 2010に似たリボンUIで編集が可能です(一部の機能は使用できません)

読者のなかには、Microsoft Office 365の関係性に疑問を覚える方もおられるのではないでしょうか。Office Web AppsはSkyDriveとの連動を前提にした無料サービスですが、Microsoft Office 365は、Office Web AppsとMicrosoftのサーバー製品の連動をクラウド上で実現した有料サービスです。同社の行う展開や戦略によってOffice Web AppsのSkyDrive向けの提供が終了する可能性は拭いきれませんが、少なくとも今日明日すぐに終了するわけではありませんので、素直に恩恵を受けるのが得策ではないでしょうか。