前回、スクリーンキャプチャを究極にまで高めるソフト「Snagit」の機能をざっと紹介したが、今回からは実際にWebの情報を加工・整理する具体的な手法を紹介してみよう。クリッピングは、新聞紙や雑誌などを切り抜いて情報を保存・整理する技法。重要な情報を集めて、これを保存し、あとから心地よく読み返せるように、整理しておく。
クリッピングは紙を前提に古くから構築されてきたものだが、この手法はデジタル化することにより、さらに幅広く応用できるようになる。広いWorld Wide Webの世界とキャプチャソフトの連携もその中のひとつと言える。
今回は、マイコミジャーナルの中の記事を抽出し、これを資料としてストックするという工程を実践してみる。Snagitには、PC環境の中において、あたかも一眼レフで撮影するような軽快なキャプチャ機能を備える。これを活用したデジタル版スクラップブック作成と、人気のクラウドサービス「Evernote」にデータをスムーズに集積するところまでをやってみよう。
Snagitでデジタル版スクラップブックを作成
スクラップブックは写真やメモなど、"思い出"や"記憶"を貼り付けて自分オリジナルのノートを作成していく。デジタル版スクラップブックとしてこれを実践するには、やはりWordの活用が思い付く。Wordは仕事や趣味にと活躍できる場が広いアプリケーションで、イラストや図形、テキストや写真の挿入も手軽に行える。ここにクリッピングデータを貼り付けていくことで、オリジナルのブックを作成できる。Snagitには、デフォルトでWordにキャプチャ画像を書き出す出力機能が備えてある。
プロファイルの設定
Snagitには、キャプチャする場合の細かい設定を保存し、ワンタッチで切り替えることができる「プロファイル」機能がある。この機能を利用すれば効率的なスクラップブック作成ができるようになる。"プロファイル機能"と聞くと、「面倒だ」「わずらわしい」と思う方もいるかもしれないが、一度この設定をしておけば、驚くほど効率的にSnagitの能力を引き出せる。それでは、さっそくSnagitを起動して、プロファイルの設定を行ってみよう。Snagitを起動したら、中央のプロファイルウィンドウの右から5番目のアイコン[ウィザードを使用してプロファイルを作成]をクリックする(図1)。
クリックすると[新規プロファイルの追加ウィザード]が起動する。このダイアログでキャプチャモードの選択を行う。今回は左側の選択肢の中から[画像キャプチャ]を選択して(図2)、[次へ]ボタンをクリックする。
次は、入力の選択を行う。ここでは、一番右側にある[入力]の画像アイコン右側の下矢印をクリックして、メニューを表示させ、[図形]→[多角形]を選択する(図3)。多角形を選択することで、Webに表示されているデータから、できるかぎり余計な部分をカットできる。
[入力]の右側の[プロパティ]をクリックして入力の際の細かい設定を行うことができる。ここでは、[全般]タブの中の[全般オプション]→[キャンバスの色]で背景色の設定する。その下の[ウィンドウ キャプチャ時のタイトルバーの透明度]で、ウィンドウ部分の透過設定を行うこともできる(図4)。設定が終了したら[次へ]ボタンをクリックする。
次は[出力]の設定を行う。一番左側の[出力]のアイコンをクリックするとメニューが表示されるので、中から[Word]を選択する(図5)。
[出力]アイコン右側の[プロパティ]をクリック、[画像ファイルタブ]の中から[ファイル形式]で画像を選択する。下の[常にこのファイル形式を使用]を選択して下にあるリストの中から[JPG]を選択する(図6)。そして、右側の[ファイル名]の中から[自動ファイル名]を選択する。
次に、右側の[オプション]ボタンをクリックすると[自動ファイル名]ダイアログが起動する。ここで、先頭文字や自動番号の桁数などの設定を行うことができる。ファイルを整理する上でもファイル名は非常に重要だ。ここは、よく考えてファイル名を決めよう。(図7)では、形式を[<Prefix> <SysDate> <AutoNum>]にして、[先頭文字のオプション]で先頭文字を[clipping-]と設定した。設定が完了したら[OK]ボタクリックする。
[次へ]ボタンをクリックして出力の選択を終了させ、次のオプション選択に進む。オプション選択では、[エディタでプレビュー]を選択して、[次へ]ボタンをクリックする(図8)。