――今回のCDには「Morning Arch」のほかに、「FOCUS! FOCUS!」と「I meet You◎」の2曲が収録されていますが、最初にレコーディングしたのはどの曲ですか?
河野「最初は『FOCUS! FOCUS!』です」
――それでは、初めて自分の曲としてレコーディングした「FOCUS! FOCUS!」についてお尋ねしますが、最初に聴いたときの感想はいかがでしたか?
河野「この曲はプレデビュー曲として、雑誌の特典CDに入るということで頂きましたが、自分の曲ということに最初は現実味がわかなかったです。何度も聴いていくうちに、ミドルテンポの曲調が、これから私もこういう歩調で、ゆっくりとリズミカルに楽しんで歩いていこうねっていうメッセージのような気がして、すごく心が温かくなりました」
――レコーディングのときに神前さんからアドバイスなどはありましたか?
河野「最初は本当にガチガチに緊張していたので、感情の入っていない"ただの音"みたいな歌声だったのではないかと思うんですよ。それぐらい緊張していたので、神前さんからは『あなたの曲だから、感情豊かに、若々しく、元気に明るく歌うように』といったアドバイスをいただきました」
――とはいえ、なかなか緊張はとれないと思うのですが、それが吹っ切れた瞬間のようなものはありましたか?
河野「どこでスイッチしたのかは、はっきりとわからないのですが、いつの間にか歌うことに没頭していて、気づいたときには曲の世界の中に誘われていた感じですね。その誘う力というのが、神前さんや(プロデューサーの)山内さんの本当にすごい力なのではないかと思います」
――「FOCUS! FOCUS!」は雑誌の特典CDとして、今年1月にリリースされましたが、そのときの周りの反応はいかがでしたか?
河野「学校のサークルのメンバーは、『すごい楽しくてコピーしたくなる曲だね』って、みんなが口をそろえて言ってくれました。聴いているだけで、身体を動かしたくなったり、演奏したくなったり、参加したくなったりするような曲、そんな反応でしたね。あとは、『声が全然違うね』って言われました(笑)」
――今お話させていただいている河野さんの声と、歌声を比べると、たしかにちょっと違う感じがします
河野「よく言われるんですよ。もっとキャピキャピした声かと思ったって(笑)」
――ちなみに、サークルのバンドでは歌ってみましたか?
河野「さすがに歌っていないです(笑)。でも、後輩やお友だちは『バンドスコアが出て、コピーできる日を待っている』って言ってくれています」
――『Aチャンネル』のオンエアが始まり、テレビからご自分の声が流れてくるのを最初に聴いたときの感想はいかがでしたか?
河野「母と一緒に観ていたのですが、あまりに現実味がなさ過ぎて、『あれ? これ誰の歌?』みたいにふざけ合っていた感じですね。でも10分前にはテレビの前にスタンバイして、トイレも済ませて、お水も飲んで、準備万端な感じで放送を待っていました(笑)」
――河野さんがご両親に「歌手になりたい」と言ったのはいつ頃ですか?
河野「子どものころから歌手になりたかったのですが、そのころは全然話していなくて……。やはり自信がなくて、ずっと口にすることができなかったんですよ。なので、高校で軽音楽部に入って、それからジワジワと伝えていった感じですね。ときどき、歌手募集中って載っている雑誌をそっと机の上に広げて置いておいたりとか(笑)」
――アニソングランプリに出るときは?
河野「『これに応募してみようかな』って言ったら、『やってみたら』みたいな感じですんなりでしたね」