動作モードでボタン表示が変わる

操作ボタン類は正面上部に集中している。メインとなるのは、コピー/ファクス/スキャン/カードという4つのボタンだ。1ボタンで瞬時に動作モードを切り替えられるのは判りやすい。3.0型の液晶モニタは視認性も良好だが、設置場所によっては蛍光灯が反射して見づらく感じることがあるかもしれない。

ユーザーインタフェースに「デュアルファンクションパネル」を採用したのも、PIXUS MX883の新しい要素だ。動作モードや機能によって、操作パネルの各ボタンの表示(機能名など)が自動的に切り替わる。例えば、コピーモードでは上下左右の矢印や部数調整の+/-などが表示されるが、FAXモードではテンキーを表示といった具合だ。視覚的にも判りやすく、操作性の向上に大いに役立っている。実際は液晶モニタの下にある3つのファンクションボタンと併用することも多いため、詳細設定などの操作に迷うこともあった。慣れとともに解決するが、ファンクションボタンをデュアルファンクションパネルに統合してもよかったかと思う。

「コピー」時のデュアルファンクションパネル。矢印ボタンとOKボタンなどが並ぶ

「ファックス」時のデュアルファンクションパネル。テンキーがメインの表示に切り替わる

コピー操作は、スキャナの原稿台かADFに原稿をセットして、モノクロかカラーを選択してスタートするだけだ。原稿台とADFの両方に原稿がある場合は、ADFが優先される。また、コピーの予約操作をしておけるので、印刷の終了を待たずに別の作業を続けられるのは便利だ。デフォルト設定におけるコピー速度の実測値は、A4カラー文書で約20秒、モノクロ文書で約12秒だったが、これは原稿によって変わる。ようするに、白い部分が多い原稿ほど早く、印刷する部分が多いと遅くなる。ADFを使った場合の実測値は、A4カラー文書が約22秒、モノクロ文書で約17秒だった。なお、本体が省電力モードになっていると、復帰の時間がかかるため、1枚目のコピーはどうしても遅くなる。

「コピー」時の液晶メニュー。用紙サイズと部数を決定して、モノクロかカラーかでスタートすればコピーが実行される

「コピーメニュー」では、標準コピー、枠消しコピー、ページ順にコピー写真焼き増し、フチなしコピーといったコピー機能を選択できる

「スキャン」時の液晶メニュー。おまかせスキャン、文書、写真と、用途に応じた3つのスキャン方法が用意されている

スキャンした画像をPCに転送して保存するほか、メモリカードやUSBメモリにも保存できる

受信したFAXデータをメモリカードにPDF保存できる

FAX機能は、スーパーG3のカラーFAXに対応する。セキュリティが充実しており、不要なFAXを受信拒否に設定できるのはありがたい。PIXUS MX883では、受信したFAXデータをメモリカードに自動で保存できるようになった。FAX受信時にインク切れや用紙切れで印刷されなくても、PIXUS MX883に何らかのメモリカードを挿しておけば、FAXデータは残る。メモリカードへはPDF形式で保存されるので、PCでも簡単に確認と印刷が可能だ。また、PIXUS MX883本体に登録する自分や送信先のFAX番号などを、PCから編集できる機能も搭載している。

「ファックス」時の液晶メニュー。FAX番号を入力してスタートを実行するのは、通常のファックスと同じだ

「ファックスメニュー」からは、電話番号登録、ファックス用紙設定、メモリー照会、レポート/リスト印刷などを実行する