新谷良子の未来 - 声優・役者として
――ここからはアルバムを離れて、声優・新谷良子としての今後をお伺いしたいのですが、まずはこの10年を振りかってあらためて思うことはありますか?
新谷「自分がこれまでに出演した作品をあらためてリストにすると、10年経ったんだなって思うのですが、それほど私は器用なほうではないので、ものすごく器用な人の10年と比べると、関わった作品の数は少ないと思います。それでもやはり、いろいろな作品に出させていただいたんだなって思いますね」
――この10年で印象に残っている役はありますか?
新谷「『ギャラクシーエンジェル』はデビュー作であり、関わっていた年月も長いので、やはりミルフィーユの印象は強いですが、いろいろ変わったなって思ったのは『RED GARDEN』ですね。大変なこともありましたが、かなり変わってきた印象があります。『あまえないでよっ!!』もそうですが、いわゆる私っぽくないキャラのほうが印象に残りますね」
――『紅』の崩月夕乃も新谷さんの印象とは少しちがうキャラクターのような気がします
新谷「そうですね。『紅』あたりから、何かウザいキャラが付いて回るようになった気もします(笑)」
――そういったことを踏まえつつ、今後声優としてどのようにありたいと思いますか?
新谷「そんなに器用なほうではないので、引き出しの多さで勝負することはできないと思います。ただ、これでどこまで勝負できるかはわからないのですが、声を聴いたときに、『あ、新谷だ』って、いい風に思ってもらえるようになりたいですね。それが良く作用するのか、悪く作用するのかはわからないのですが、私が存在する意味ってそういうところなのかなって思ったりしています。引き出しがないながらも私が声優をやっている意味、そんなものを見つけていきたいですね」
――どんなキャラでもできるというよりは、この役なら新谷良子だよね、みたいな感じでしょうか?
新谷「それもひとつありますが、やはりいろいろなキャラには会いたいなっていう気持ちもあります。男の子でもお婆ちゃんでも何でもできる、みたいなことは私には難しいかもしれませんが、いろいろなキャラに出会い、そこからいろいろ面白いことができたらいいなと思っています。あと、外画の吹き替えをやらせていただいたりもしているのですが、それをやっているうえで、わりと色気がないので、どうしたら出るのかなと思いつつ(笑)、そちらの世界でもやっていきたいなと思っています」
――さらに新しい面を出して、さらなる飛躍をするみたいな気持ちもありますか?
新谷「30歳になるのを機に、何かしら変わっていければいいなとも思います。ただ、ガッツリと変わる気はしないので、まろやかな変化で(笑)。でもやっぱり、このままの自分でいけたらいいなって思っています」
――それでは最後にファンの方へのメッセージをお願いします
新谷「歌に関しても、普段の私も、等身大でいること、無理をし過ぎないでやってきたことが良かったのかなって思っています。そのおかげで10年続いてきたのかなっていう気もしているので、これからもそういったペースで、私らしさみたいなところを残しつつ、あるがままでやっていければいいなと思っているのですが、やはりみんなで楽しいねって言えることが私は一番幸せなんですよ。そんな気持ちで、これまで歌やライブを作ってきたので、楽しいことしたいなとか、普段の生活にちょっと楽しいエッセンスがほしいなって思ったときは、このアルバムを思い出してもらえたらうれしいですね。これからもよろしくお願いします」
――ありがとうございました