Disc1 M-06 ファンシー☆フリル
[2004/04/28 1stアルバム「ファンシー☆フリル」収録]
――そして、デビューしてから約1年でファーストフルアルバム「ファンシー☆フリル」がリリースされます
新谷「すごい展開ですね。本当にありがたいですよ」
――アルバムを作るのは大変でしたか?
新谷「どうだったかな。大変だったかもしれませんね……。(スタッフから4月までレコーディングをしていたとツッコまれて)ああ、そうだ! 『ファンシー☆フリル』は4月28日発売なんですけど、4月の頭までレコーディングをしていましたね。『Thank You for my Dear 』は、たしか私の誕生日(3月31日)にレコーディングしたんですよ。そうだ、懐かしい(笑)」
――けっこう大変だったみたいですね
新谷「そのあとにTDをしてマスタリングですからね。本当にビックリですよね(笑)」
――忙しくてレコーディングがなかなか進まなかったのですか?
新谷「全然(笑)。気がついたら時間が経っていたような感じです。3月31日の時点でレコーディングをしていて、周りの方は『ヤバイよ、ヤバイよ』って言っていたんですけど、『大丈夫だよ、発売は来月だから』ってディレクターが言っていて。来月だからとか、そういう問題じゃないですよね(笑)」
――そんな1stフルアルバムからは、表題曲の「ファンシー☆フリル」が今回のベストアルバムに収録されています
新谷「この曲を作詞したおかげで、Chu→lip王国ができたんですよね」
――5曲目、6曲目と王国の歌が続いています
新谷「国の歌と国の花が入ってますね。発売日が4月28日だったので、この時期にふさわしい花をいろいろと探して、『ファンシーフリル』というチューリップを見つけたんですよ。なぜチューリップにしようと思ったのかはあまり覚えていないのですが、とにかく花の名前をタイトルにしようと思っていました。この曲はタイトルも自分で考えて、作詞もあまり打ち合わせをせず、すごく自由に私らしさを出そうと思って作った曲になっています。『ファンシーフリル』というチューリップは、名前の通り、ちょっとフリルっぽいというか、トゲトゲっぽいところがあって、それが私らしいなって思ったんですよ。可愛すぎないと言いますか、甘い中にもちょっとしたビターさがあるみたいな。これは私にピッタリだと思って、『ファンシー☆フリル』というタイトルをつけて、歌詞を書きはじめました。歌詞を書くのにはすごく時間がかかりましたが、すごくいい歌詞ができたと思っています!」
――自画自賛ですね
新谷「うん(笑)。でも、周りからは何かハレンチだって言われて……。『太陽の下で抱き合って』って何? みたいな。私から言わせれば、昼間だからハレンチじゃないと思うんですけどね」
――健全ですよね。まあ、どこで抱き合えば健全で、どこなら不健全なのかという話ではありますが……
新谷「太陽の下ですよ! 一番爽やかじゃないですか(笑)。でも、しばらくはハレンチソング扱いでした……。このときは何かアッパーな恋愛系の詞が書きたかったんですよね」
Disc1 M-07 Slow Down
[2004/04/28 1stアルバム「ファンシー☆フリル」収録]
――そして続いては、ふたたび桃井さん作詞・作曲の「Slow Down」です
新谷「またこれもよくできた曲ですよ、本当に。言葉とか歌詞をすごく大事にしたくて、それがたぶん声優・新谷が歌う意味なのではないかと思って始めた歌手活動だったのですが、この『Slow Down』はストーリーになっていて、ものすごく情景が浮かびやすい曲になっています。この時期の私にとってはかなり大人っぽい歌だったんですよ。それまではわりと楽しい! みたいな曲ばかりだったので、モモーイは本当に私の新しいところをどんどんと引き出してくれたんだなって思いますね。この曲も投票では上位に入っていた曲で、人気があります。ライブではあまり歌う機会が少なくなってきているんですけど、それでも上位に入ってくるので、すごいなって思いますね」
――ライブはどうしても新曲が入ってきて、なかなか歌えなくなる曲もありますよね
新谷「そうなんですよね。しかも、必ず歌うような鉄板曲かというと、そんな感じでもない。でもやっぱり大切な曲ですね」
――『ファンシー☆フリル』のアルバムに関する思い出は、やっぱりギリギリまでかかったことですか?
新谷「そうですね(笑)。あと、今回のベストアルバムには入っていないのですが『君のもとへ』という曲がありまして、これもすごく印象に残っている曲です。初バラード的な曲なんですけど、金沢のライブで歌ったときに、お母さんからの手紙を読み上げられまして……。『そんなの泣くに決まってるじゃん!』みたいなことをやられたんですよ。それですごく泣いた記憶があります。詞の内容もお母さんに向けたみたいな感じになっているので、余計に恥ずかしかったです。でもやっぱり誕生日にレコーディングした『Thank You for my Dear』も思い出に残っていますね」
――今思い返すと、新谷さん自身もかなり焦っている状況だったのですか?
新谷「CDの制作の流れというものをまだちゃんと把握できていなかった時期なので、みんなが急いでいるのを見て、ギリギリなんだろうなって思っていたぐらいですね。今考えると、何やっているんだろうって感じですけど(笑)」