ハンディカムのレベルになった動画機能
やったというか、ついにWX10でもハンディカム同様の動画撮影ができるようになった。前モデルまではフルハイビジョン動画の撮影はできたものの、フォーカスは一般的なコントラスト検出式。静止画撮影では複雑な顔検出や自動的にシーンモードを適用するなどの高機能に対し、動画撮影の機能が弱く感じていたのだ。また、HXシリーズなどに搭載された光学式手ブレ補正(アクティブモード)が、WXシリーズには搭載されていなかったのだ。それがついにWX10でシーン認識や追尾フォーカス、光学式手ブレ補正(アクティブモード)も可能になったのだ。
動画撮影時でも静止画同様、33パターンのシーンを認識し最適な設定にしてくれるので、基本操作は録画を開始するMOVIEボタンとズーム操作だけ。そう、WX10は動画撮影中の光学ズームにも対応しているのだ。この録画中ズームは静止画撮影時と違い、ゆっくり動くようになっている。これは速いズームで映像が乱れるのと、ズーム作動音が録画するのを防ぐためだろう。普通に撮影している分には、動画撮影中にズーム操作をしても作動音は録音されなかった。ただし、ホールドを確実にしようと両手でカメラを支えた場合、左手がボディ正面にあるマイク穴をふさがないように注意したい。ここをふさいでしまうと音がクリアに録音されないだけではなく、ズーム作動音や操作音などボディを通して聞こえてくる雑音を拾ってしまうのだ。
そして特筆すべきは、光学式手ブレ補正(アクティブモード)の効果だ。広角側での補正角が広がり、歩きながらの撮影など、撮影者が不安定でもかなりのブレを補正してくれる。35mm換算24mmという広角レンズというのも併せて、その効果は絶大だ。望遠側での手ブレ補正は従来同様となっている。
このフルハイビジョン動画は動画撮影モードにしなくても、ボディ背面のMOVIEボタンを押せばすぐに開始されるというのもいい。しかし、動画撮影モードでも、ほかのモードからの動画撮影でも、MOVIEボタンを押してから録画開始までにややタイムラグを感じることがあった。ただ、これは製品版以前のテスト機だけのことかもしれない。