楽しみの広がるスイング機能と連写
単にきれい、簡単というだけではなく特殊な撮影ができる、いわば飛道具的な機能があることもWX10の魅力だ。特に行楽地へ出掛けた際に効果を発揮する「スイングパノラマ」も人気機能の一つ。カメラを振りながら高速撮影し、連続した画像をカメラが合成することでパノラマ写真を作り上げる「スイングパノラマ」は、左右だけじゃなく上下方向のパノラマ撮影にも対応。撮影中に人物を検出すると、その部分の静止画の間隔を変化させ、自然に見えるようにつなぎ合わせる「顔・動き検出」にも対応している。
今回、10,480×4,096ドット、4,290万画素の高精細パノラマ撮影ができる「パノラマHRモード」が追加された。今までの「スイングパノラマ」で横方向にパノラマ撮影をすると、上下が切り詰められた、やや窮屈なパノラマ写真に仕上がっていた。これは高速撮影や合成の都合なのだろうが画像の高さは1,080ドットしかなく、通常撮影で見せていた広角の広がりをあまり感じられなかったのだ。今回搭載された「パノラマHRモード」は、カメラを縦位置にして横に動かす、つまりWX10の画像横幅4096ドットを高さにした巨大なパノラマ写真が撮影できるのだ。今までのスイングパノラマは機能としては面白かったが解像度がそれほど高くなかった。このパノラマHRモードは拡大してもディテールの再現性が高いのがすごい。ファイルが大きくなりすぎて扱いにくい点もあるが、この機能は注目したい。
高速読み出しが可能なCMOSセンサーを搭載していても、電気的に情報を区切る電子シャッターを使うと動きの速い被写体では歪み(ゆがみ)が生じることがある。歪みを出さないためにはメカニカルシャッターが必要だ。つまり、デジタル一眼と同じように一枚ずつ機械的なシャッターを動かして撮影するわけだ。WX10は10コマ/秒という高速連写ながらメカニカルシャッターを採用し、歪みがない連写を可能としている。また、高速連写でも解像度を落とすことなく、最大画像サイズで撮影できるというのもポイント。高速連写はスポーツシーンだけではなく、連写の中から一番いい表情を抜き出すこともできる。不要な画像は消してしまえばいいのだから、積極的に使えばシャッターチャンスを逃すことも少なくなるだろう。