写真やムービーの場合は、機材さえあれば(センスの有無はともかく)ほとんどの人がオリジナルの作品を制作することができる。しかし、音楽の場合はそう簡単ではない。用語や譜面などの基本的な知識から楽器の弾き方まで、事前に知っておくべきことが数多くあるからだ。

「GarageBand」には、そうした音楽制作の敷居の高さを下げるための機能がいくつも搭載されている。そのひとつが「レッスン」機能で、ギターやピアノの弾き方を動画で基礎から学ぶことができる。レッスン機能自体は前バージョンから搭載されていたが、今回のバージョンアップで新しいレッスンが加わり、より楽器を本格的に習得できるようになった。また、用語集も搭載され、音符の基礎知識などの初歩的なことから学べるようになっている。

レッスンには「基本レッスン」と「アーティストレッスン」の2種類があり、いずれもネット経由でダウンロードすることができる。基本レッスンは無料で、楽譜の読み方や楽器を弾くときの姿勢などの常識として知っておくべきことまできちんと解説してくれるのがうれしい。アーティストレッスンは有料だが、スティングやジョン・フォガティ、ノラ・ジョーンズなどの著名アーティストが演奏テクニックをムービーで解説してくれる。

「GarageBand」のレッスン画面。映像で丁寧に楽譜の読み方や楽器の弾き方を教えてくれる

レッスンストアの画面。スティングやノラ・ジョーンズなどの著名アーティストのレッスンを受けることができる

もっとも、いくら弾き方を覚えても、それを評価してくれる人がいなければ、なかなか楽器は上達しない。しかし新しいGrageBandには、自分の演奏結果を評価できる機能が搭載されており、リズムや音の正確さを客観的にチェックすることができる。演奏をミスったところやリズムがずれているところを楽譜などに表示してくれるため、自分の苦手な部分を見つけて重点的に練習するのも容易だ。

新規プロジェクト選択画面からは、好みの楽器を選んで曲を作成していける

「GarageBand」の編集画面。楽器の知識がなくても、ループと呼ばれる音ファイルを並べていくだけで、それなりの曲はつくれてしまう