また、蓮実氏は「当然ながら、Androidのデバイスも視野に入れている」と明かす。
「Androidには当然挑戦していきたいですね。さらに言えば、本質的にはソフトバンク以外の端末でもみられるべきだと思います。それが上手くいけば、最終的には自分たちにもプラスになります。ただ、コンテンツの提供先が単に多ければいいというわけでもありませんから、戦略的に考えていきます。もちろん、ソフトバンクが囲い込んで端末の魅力アップにつなげてもらっても構いませんが、それが全てかと言われると、違うということです」
しかし、AndroidはiPhoneやiPad以上にデバイスの形状が多彩で、液晶のサイズ、解像度が統一されてない。OSのバージョンも、機種によってまちまちで、「ちょっとしたバージョンアップがあるだけで、何種類にも枝分かれしてしまう」という難しさもある。逆にマーケットには柔軟性があり、キャリア課金が利用できるようになる可能性がある。蓮実氏が「Android版が出せれば、少し考え方が変わるかもしれない」と期待しているのは、そのためだ。
対応デバイスだけでなく、器であるビューンそのものも、まだ変化の途上だ。現状のビューンは総花的なコンテンツ構成だが、蓮実氏は「別のセットは100%やる。やらないと意味がない」と力を込める。
「『ビューン主婦』なのか『ビューングルメ』なのか、はたまた全然違うものなのかは、まだ分かりません。もしかしたら『ビューン北海道』のような地域別サービスが成立する可能性もあります。最初のビューンというサービスは、WOWOWでいうところの基本パック。老若男女、誰でも1つは見たいものがあって、どう考えても安いという価格設定にしています。もっと深く突っ込みたい、もしくは、深くなくてもいいから安くしてほしいというように、パターンは色々とあります。そこにはどんどん挑戦して、ノウハウを蓄積していきたいですね」
ドコモやKDDIも電子書籍サービスに積極的だが、一足先にスタートしたビューンの"実験"は、どのように花開くのか? 今後の展開も、期待して見守りたい。